2019年の鞘師里保とわたし④ ~横浜アリーナ編・前編~
前回の記事はこちら
いよいよ2019年6月28日(金)を迎えました。
BABYMETALが新たなスタートを切る「BABYMETAL AWAKENS -THE SUN ALSO RISES-」という横浜アリーナ2days公演の初日です。
直訳すれば「BABYMETALの目覚め ~日はまた昇る~」といったところでしょうか。
前回の記事で書いた通り、ここ1年半ほど苦難にまみれていたBABYMETALが、この公演を新たな栄光への足がかりにしようとしている意気込みが伝わってきます。
わたしはその日の仕事を終えると東京駅から新幹線にダッシュで飛び乗り、たったひと駅先の新横浜駅で下車して、横浜アリーナへ向かいました。
幸い、開場時間ちょうどくらいに現地に着くことができました。
……
…………
………………
ぐはぁ!
わたしはこの記事をどういうテンションで書けばいいのでしょうか??(´;ω;`)
この日のライブはとんでもなく素晴らしいもので、BABYMETALはわたしに新しい景色を見せてくれました。
とても感動して、帰途についたものです。
しかし!
わたしにとっては非常に苦い思い出にもなったのです。
これまで生きてきた中でもあまり味わったことのないような、悲しくて、つらい日でした。
だから、悲嘆に満ちたトーンで書いていくべきなのでしょうか。
いや、それじゃあBABYMETALとあのお方の新しい門出に泥を塗ることになっちまう。
というわけで、あふれでる涙は腹いっぱいに飲み込んで、ここは自虐に走ることにしやす。
どうぞ愚かなおいらを思う存分嗤っておくんなまし。
閑話休題。
開場時間ちょうどくらいに横浜アリーナに到着し、入場ゲートへ向かおうとしましたが、なにか様子がおかしい……。
ゲート前のエリアから人が減りません。
しばらく待っても状況は変わりません。
開場が遅れたんですね。
わたしは思いました。
「これはYOSHIKI様イズムだな……」と。
YOSHIKI率いるX JAPANのライブは、開場開演が大幅に遅れるのでお馴染み。
(今はどうか知りませんが)
観客の心に飢えを生み出すことで、開演の瞬間の爆発力を増幅させて、その日のライブを伝説化する魔法(これ妄想です)。
そして伝説の語り部となった観客たちは後に語るのです。
「あの日のライブは、始まるのがとても遅れてね……」
これぞ伝説の枕詞!!
(繰り返します。この部分は妄想の産物です。普通に機材トラブルかなにかだったのでしょう)
ともかく、
あの日のライブは、始まるのがとても遅れてね。
(ほら出ました枕詞)
蒸し暑いなか長時間外にいたせいで、会場内に入ったころには、すでにくたくたになっていました。
さて、この日わたしがいた場所はスタンド席。
BABYMETALの世界ではMOSH'SH SEAT(モッシュッシュシート)と呼ばれているところです。
ステージは遥か遠くに見えました。
開演は1時間以上押していたように覚えています。
こんなんだったら新幹線に乗る必要なかったのに!
こればっかりは先読みできるものではないので、仕方ないですね。
開演までの長い長い待ち時間、わたしはスマホをいじったり、ぼーっとしたりしながら過ごしていました。
目の前には横浜アリーナの景色が、広々とひろがっていました。
このときに考えずにはいられなかったことがあります。
それはモーニング娘。のことです。
2014年11月26日、ここ横浜アリーナで、
「モーニング娘。’14 コンサートツアー秋 GIVE ME MORE LOVE ~道重さゆみ卒業記念スペシャル~」
という公演がおこなわれました。
8代目リーダー道重さゆみという、モーニング娘。の歴史に燦然と輝くレジェンドが卒業していった地なのです。
大好きな道重さんを送り出すために、このコンサートに懸ける後輩たちの意気込みは半端ないものだったようです。
そして、その意気込みから生み出されたステージは、道重さゆみ同様、レジェンドと言えるものになりました。
(伝説のフクムラダッシュは、メンバーやファンの間で語り継がれています)
このコンサートの終盤に、道重さゆみはこんな言葉を発しています。
「私は、(後輩に)この景色を見せてあげたかったんです。これが私にできる最後の恩返しです。今回は私が卒業ということで立つことができたけど、これからは単独のコンサートでみんなにもこの景色を見てほしい。そして私の知らなかったような、もっと大きな景色をみんなに見てほしい。その時は、みんなから見る景色の一部に、さゆみもいると思います」
道重さゆみが後輩に見せた景色……娘。が横浜アリーナに帰ってきた! | ENTAME next - アイドル情報総合ニュースサイト より
……泣くよね。引用者は泣いています。
黄金期のモーニング娘。と比べると、近年のモーニング娘。の活動は、そこまで“派手”なものではありません。
もちろん“派手”ならそれでいいというわけではなく、近年のモーニング娘。は近年の活動のなかで存分に魅力を発揮しており、そこに優劣などあるわけがありません。
しかし、ステージに立つ者としては、より大きな舞台を夢見ずにはいられないでしょう。
そして、メンバーたちのそんな思いを察する我々ファンは、メンバーたちの夢を叶えてあげたいということを夢見ます。
道重さゆみの卒業以来、モーニング娘。は横浜アリーナのステージには立っていません。
BABYMETALの開演を待ちながらわたしが思っていたこと。それは、
「あのときの後輩メンバーたちに、また横浜アリーナに帰ってきてほしい」
というものでした。
当時在籍していた者のうち、モーニング娘。の現役メンバーは、
この5人です。
また、すでに卒業したOGは、
この4人です。
(このうち鈴木香音は芸能界を引退しています)
現役モーニング娘。が横浜アリーナに立つことはもちろん、OGがその後の活動で横浜アリーナに戻ってくるというのも熱い展開です。
彼女たちが再び横浜アリーナのステージに立つ日が来たら、こんなに嬉しいことはありません。
わたしは心待ちにしています。
……と、わたしが物思いに耽っていたころ、実は横浜アリーナの舞台裏で、上に挙げたメンバーのうちひとりが、これから始まるライブに向けてスタンバイしていたことなど、誰が想像できたでしょうか?
あともう少し時間が経てば、自身にとって間違いなく大きな意味を持っているであろうこの横浜アリーナに、戻ってくるメンバーがいるのです。
わたしを含めたモーニング娘。のヲタクたちは、その展開に驚愕します。
そして、わたしを含めたBABYMETALのファンたちは、やがて驚嘆することになります。
さあ、果たして、そのメンバーはいったい誰だったのでしょうか?(白々しい)
唐突にSEが消え、照明は落ち、BABYMETALのライブは始まります。
この瞬間から、2019年のわたしは、ジェットコースターのような怒涛の展開に飲み込まれていくことになるのです。
中編へ続く