たまさんブログ

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2019年の鞘師里保とわたし⑤ ~横浜アリーナ編・中編~

前回の記事はこちら

 

目次を作ることを覚えたので、どん!!

 

 ~目次~

 

 

 

1.日はまた昇った!!

BABYMETALのライブが始まりました。

 

爆音を浴びながら、センターステージに置かれていた八面体のモニュメントが解体し、翼となってメインステージの方へ飛んでいきます。

そして、その翼には、これまでのBABYMETALの足跡を辿るような映像が映し出されます。

 

スクリーンが蝶々みたいに飛んでいく。

 

すごっ!!(゜ロ゜)

 

そして、メインステージの背景に設置されたスクリーンの映像とアナウンスで、メンバーの名前が高らかに宣言されます。

 

VOCAL and DANCE, SU-METAL

SCREAM and DANCE, MOAMETAL

 

BABYMETAL正規メンバーのふたりです。

会場が歓声に包まれます。

 

続いて、このようなナレーションが流れます。

 

SU-METALとMOAMETALをサポートするメンバー「アベンジャーズ」というのが3人いる。

FOXGODによって、公演ごとにアベンジャーズのうちひとりが召喚される。

誰が出てくるかはその日になってのお楽しみ!

 

つまり、3人体制のBABYMETALが戻ってくるということです。

ダークサイド期のBABYMETALは4人になったり7人になったり3人になったり、アメーバのようにビヨーーーーーンと形を変えてきたわけですが、これからは3人固定でいく!と。

 

アベンジャーズのうちのひとりが前へ出て、SU-METALとMOAMETALに並びます。

そして新曲『Arkadia』が投下されて、ライブの本編が始まります。

 

フォーメーションはYUIMETALがいたころを思い出させる栄光のトライアングル。

楽曲はこれが初披露となる『Arkadia』。

 

ステージ上の3人の姿とパフォーマンスは、過去を想起させながら未来へと突き進んでいく、真新しいBABYMETAL!

 

こういうのが見たかったんだ!

 

THE SUN ALSO ARISES!!

日はまた昇った!!

 

 

 

 

2.黒船アベンジャー、横浜来港

さて、ここからです。

わたしが書いていてつらくなるのは。

 

会場の多くの人たちと同様に、わたしはサポートダンサーに目をこらします。

 

彼女のダンスはこれまでのBABYMETALでは見ることのなかった、ダイナミックなもの。

四肢を大きく動かし、楽曲のリズムをうねらせていくように見えました。

 

わたしがいるのはステージから遠く遠く離れたスタンド席。

肉眼でサポートダンサーの顔を見るのはまず不可能です。

 

そこでスクリーンに頼るわけですが、彼女の顔は序盤に一瞬だけ大きく抜かれたあとは、ほとんど映されることがありません。

 

しかし、彼女はわたしがよく知っている人物でした。

例え映し出されたのが一瞬であったとしても、見間違えることなどあり得ないくらい、わたしはさまざまな映像を通して、彼女の顔を何度も何度も目にしたことがあるのです。

彼女のことを、わたしは約3年の間、信奉し続けてきました。

 

もう一度書きます。彼女の顔を見間違えることなど、あり得ないのです。

 

わたしはこのとき、即座に確信しました。

 

 

 

 

「誰だかわかんないや。どうせ知らない人だろ」

 

 

 

 

と。

 

うっっっ……

苦しい……

 

例えばの話をします。

これがBABYMETALではなく、ハロプロの会場だったらどうだったでしょうか?

 

間違いなく、わたしは彼女の正体を見抜いていたでしょう。

 

突然ですが、ここで幕末のエピソードをひとつ。

 

1853年、浦賀沖に突如姿を現した黒船。

この大大大事件を契機として、日本という国は泰平の時代から激動の時代へと放り出されていくことになります。

 

この黒船の姿を、庶民の多くは見ることができなかった、という話があります。

隠されていたとかそういうことではなく、目の前にあるのに見えなかった、ということです。

 

蒸気船はこの時代の日本には、当然ながら存在しないものでした。

言ってみれば、多くの日本人にとって黒船は正体不明の化け物のようなものです。

 

人間の脳は、到底想像もつかないようなあり得ないものを認識できないことがあるそうです。

 

江戸時代の庶民の脳は、訳のわからない黒船の存在をシャットアウトして、見ることを拒否していたわけです。

 

このエピソードが史実に沿ったものなのかどうかは分かりませんが、ここで言いたいのはこういうことです。

 

あのサポートダンサーは黒船で、わたしは江戸時代の庶民だった。

 

だって、あり得ませんよ。

 

つい3ヶ月ほど前に、ひなフェスで鮮烈に復活を果たした黒船さん(仮名)が、次の活動としてサポートダンサーをやるなんて。

しかもBABYMETALのステージで。

 

庶民ことわたしはきっと、一瞬スクリーンに大映しになった黒船さんの顔が誰のものであるかを見極めていたはずです。

 

しかし、脳がその視覚情報と黒船さんの名前を結びつけることを拒んだのです!

 

だから、これは仕方のないことだったんです!!(て思うしかないよね(T_T)

 

このとき、わたしの頭の中は、次のような思いでいっぱいになっていました。

 

 

SU-METALの腰から上が抜かれるカットめちゃくちゃ美しいなおい!!

 

 

そんなことを考えているうちに、ライブは終わりました。

いや、SU-METALはしばらく見ないうちに、ほんとうに大人らしく、美しくなったものだと思います、ハイ。

 

ライブの見所はたくさんありましたが、いちばん印象に残ったのは新曲『Shanti Shanti Shanti』でした。

 

魅惑のインドワールド。

脳が沸騰してスタンド席で踊ってしまいました。

周りに迷惑をかけていなかったことを祈るばかり。

 

 

 

 

 

3.鞘師は今ごろなにをしてるんだろう?

わたしは大満足で横浜アリーナをあとにしました。

大きな忘れ物をしてきたことに、まったく気づくことなく。

 

素晴らしいライブを体験したあとの帰り道が好きです。

記憶を頼りに頭の中で見てきたものを再生したり、耳奥の残響を味わったり。

 

このときわたしは、新横浜の星空を見上げて、あることを考えていました。

どうしても考えずにはいられませんでした。

 

それは、

 

 

「鞘師は今ごろなにをしてるんだろう?」

 

 

ということ(爆)

 

わたしのなかで、SU-METALと鞘師里保はセットです。

ふたりは、かつてアクターズスクール広島で芸の研鑽に励んでいました。

 

これを初めて知ったときは興奮しました。

それぞれ別の経路から好きになったSU-METALと鞘師に、こんな共通点があったとは。

アクターズスクール広島おそるべし……

 

ですから、つい先ほどSU-METALに魅せられたばかりのわたしは、鞘師のことを考えずにはいられませんでした。

 

ひなフェス以来、沈黙を続けている鞘師。

今日のSU-METALみたいに輝いている鞘師の姿を、早く見たい。

早く鞘師に会いたい。

 

 

 

爆笑

 

 

 

 

 

4.ネットの情報は信用ならない

新横浜から横浜線に乗り込んで、わたしはスマホに目をやります。

さっきのライブの感想をツイートしてる人いないかなぁ。

そしてわたしは、思わず叫びそうになります。

 

 

「はぁ??」

「なにねむてえことを言ってやがる!!」

 

 

ネットの情報なんて信用ならないものです。

そこでは、あのアベンジャーの正体は鞘師里保じゃないかという噂が拡散されていたのです。

 

いやいや、あり得ないでしょう?

黒船さんが鞘師だなんて。

 

だってわたくし、さっき自分の目で見てきたばかりですもん。

そしてわたくし、ハロヲタで鞘師ヲタですもん。

もし黒船さんが鞘師だったら、見間違えるわけがないでしょう。

 

安易な推測と無責任な拡散に、わたしは少々ムッとしました。

 

黒船さんが鞘師なんてこと、あってはならぬのです!

 

 

 

 

 

5.果たして黒船さんの正体は……

わたしはBABYMETALのサポートダンサーが鞘師だったという情報に憤慨しながらも、帰宅後もTwitterをチェックせずにはいられませんでした。

頭の片隅に「もし本当だったら?」という考えが消えなかったからです。

しかし、先に書いた通り、あれが鞘師であったなど、あってはならぬのです。

 

黒船さんの正体は、呆気なく明らかにされます。

 

 オープニングからキレッキレのダンスで、集まった1万5000人のファンを驚かせたサポートダンサーの正体は、元モーニング娘。鞘師里保(21)だった。

 

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

 

 

すみません、ショックで少し壊れていました。

 

まず最初に思ったのは、

ハロヲタやめよう」

ということ。いや、やめませんでしたけどね。

 

鞘師の再始動をここは気持ちよく祝いたいところです。

しかし、そんな気持ちにはとてもなれそうもありませんでした。

わたしは鞘師が踊っている姿を目にしていながら、それが鞘師であると認識できなかったのですから。

 

鞘師を生で見るのは、このときが初めてでした。

だけど、認めたくありません。こんなのってあるかい?

でも、自分の目で鞘師里保を見ることができた喜びも感じているのです。

だからこそ、悲しくて仕方ありませんでした。

 

今だから笑える話です。

 

ともかく、BABYMETALさんと鞘師さん、新たなスタートおめでとうございます!!

そして、道重さゆみの卒コン以来、初めて横浜アリーナに立ったことで、鞘師にとっては二重に特別な意味を持つ1日になったと思います。

(この気持ちを持てたことが最大の救いですね)

 

BABYMETALというこれまで歩んできた道とは異なる世界に、黒船のごとく飛び込んでいった鞘師を、庶民のわたしはこのあともめげずに追い続けていきます。

 

横浜アリーナの鞘師についての文章はここまでになります。

しかし、あと少し、書いておきたいことがあります。

 

それは、生まれて初めて「鞘師が出るかもしれないと思っていたけど出なかった」という経験をした、2日目の公演のことです。

 

きれいごとだけを書くのはかんたんです。

しかし、アベンジャーズ体制のBABYMETALを追っていくなかで、何度も何度も感じてきた葛藤について触れずに、2019年の鞘師里保について書いていくことは、嘘を吐き続けるようなものです。

 

よその界隈のファンをも巻き込んだ難しい問題なので、繊細なものではありますが、2019年のひとつの記録として、思いを言葉にしておきます。

 

 

後編へ続く