たまさんブログ

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2019年の鞘師里保とわたし⑦ ~グラストンベリー編~

前回の記事はこちら!

 

 

グラストンベリー

 ~目次~

 

 

 

1.情熱のパパヤ!!

 

せーの!

 

 

 

 

 

 

パパヤーー!!!!\(^^)/

 

 

 

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

…………ハイ。

というわけで、パパヤです!

 

グラストンベリーについて書くんじゃないのか?

そう思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、

 

 

そんなことより、パパヤです!!

 

 

 

このMVの映像は、前回の記事で取り上げた横浜アリーナ公演2日目のものです。

 

情熱と情熱のあいだを行き来する熱いパフォーマンスに、火花は飛び散るは、炎は上がるは!

フロアも熱狂の渦と化しています。

 

ここには情熱しかありません!!

 

このときのアベンジャーは藤平華乃

わたしが藤平華乃の必勝パターン」と呼んでいる挑発的なキメ顔は、2コーラス目のサビ終わり、2:20辺りから見ることができます。

どうです? めちゃくちゃホット!!

 

この曲PA PA YA!!(feat. F.HERO)』は、横浜アリーナ公演の初日にあたる2019年6月28日に配信が開始されました。

 

わたしは仕事終わりに横浜アリーナへ駆けつけるのに必死で、この配信曲を聴いたのは終演後だったのですが、会場に集まったメイトの多くは昼間に聴き、その日のライブで初披露を目にしたことかと思います。

おもしろい仕掛け方ですね。

 

初披露、と書きましたが、ただ楽曲を初披露しただけではなく、特別な演出がなされました。

 

MVをご覧いただければ分かると思いますが、上に書いた2コーラス目のサビ終わりのシーンで、メインステージになにやら屈強そうな男がせりあがって来るではありませんか。

 

そして、何語だか分からないアグレッシブなラップをぶちかましてくるのです。

あの迫力! あの情熱! あの炎!

圧倒されてしまいます。

 

彼の名は、F.HERO。

タイ人のラッパーです。

あのラップはタイ語だったのです。

 

彼が横浜アリーナのステージに立つまでには、さまざまな苦悩があったそうです。

しかし、そういったネガティブな思いに打ち勝って、あの情熱的なパフォーマンスを横浜アリーナに叩きつけてくれたのです。

 

ここではその詳細には触れませんが、興味のある方は、こちらをご覧ください。

 

わたしは鞘師里保に焦点を当ててこの文章を書いていますが、BABYMETALに関わってきた人たちには、それぞれに熱い物語があるのだなと感じさせられます。

 

PA PA YA!!』は2019年のBABYMETALの、お祭り盛り上げソング。

盆踊り風の振り付けが、シュールかつかわいらしく、いかにもBABYMETALなコミカルな雰囲気を醸し出しています。

 

彼女たちは各国の行った先々で、この曲を披露し、世界中に情熱フィーバーを巻き起こしていくことになります。

 

この年の10月、BABYMETALは3rdアルバムをリリースし、数多くの新曲をわたしたちに届けてくれましたが、

そんななかでも『PA PA YA!!』はライブの定番曲として、2019年を代表する1曲へと育っていくことになります。

 

 

それではみなさん、いきますよ?

準備はいいですか?

 

 

せーの!

 

 

 

パパヤーー!!!!\(^^)/

 

 

 

ハイ! よくできました!!

(『LILIUM』のマーガレット風)

 

 

(『LILIUM』っていうのはハロプロのお芝居で、マーガレットっていうのは佐藤優樹が演じたキャラクターです 笑)

 

 

 

 

 

2.伝統のグラストンベリー・フェスティバル

ちょっとはっちゃけてしまいましたが、さて、ここからが本題です。

 

2019年6月30日、BABYMETALはグラストンベリー・フェスティバルに出演します。

 

グラストンベリーは世界最大規模と謳われる、イギリスの野外音楽フェスです。

初開催は1970年。50年もの歴史があることになります。

 

ステージは約60あり、700ほどのライブが3日間でおこなわれるというのですから、世界最大規模というのも納得です。

 

BABYMETALが出演するのは、OTHER STAGEという2番目に大きなステージです。

 

これまでBABYMETALは、国内外の音楽フェスに数多く出演してきました。

ワンマンのライブならば、観客の大部分は自分たちのファンです。

しかし、フェスは違います。初見の人がたくさん見ている中で、アウェイの戦いをせねばならないのです。

BABYMETALはこれまでのキャリアの中で、そんなアウェイ戦を繰り返してきて、次第に海外での評価を得てきたのです。

 

ですから、グラストンベリーというこれまでとは毛色の違った注目を集める大舞台でも、彼女たちはきっと爪痕を残してくれるに違いないと、BABYMETALのファンたちは期待に胸を膨らませていました。

 

 

アベンジャーズは誰?

グラストンベリーのステージに立つアベンジャーはいったい誰なのか?

 

この疑問は、BABYMETALやハロプロ(そしておそらく、さくら学院)のファンたちから高い関心を集めていました。

 

もちろん、わたしにとっても、いちばんの注目ポイントはそこにありました。

 

横浜アリーナの2days公演は鞘師里保藤平華乃がアベンジャーを務めたので、グラストンベリーでは第3のアベンジャーが降臨するのではないか?

 

こんな声をよく聞きました。

 

しかし、上に書いた通り、BABYMETALにとってグラストンベリーは大一番です。

ですから、この日を第3のアベンジャーのデビュー戦にするのは、その人がどんなに優れたダンサーであろうとも、負担が大きいのではないかと、わたしには思われました。

BABYMETAL陣営としても、できるだけ博打の要素は排したいはず。

 

となると、鞘師か華乃ちゃんになります。

華乃ちゃんのスキルの高さは横浜アリーナで目の当たりにしましたが、そうは言ってもまだ中学2年生の少女です。

 

と考えると、鞘師登場の可能性が高いのではないか?

 

わたしは期待に胸を躍らせていました。

 

 

青空のグラストンベリー

当日、わたしは早朝に起きて、スマホグラストンベリーの生配信に繋ぎました。

(と言っても、アレな感じの生配信なのですが、まあそこは深くは語るまい)

 

配信がスタートすると、画面には目の覚めるような青空が映し出されました。

ブリティッシュウェザーは見事に快晴となってくれたようです。

 

ステージではサウンドチェックをしているようで、スタッフの無線通話がスマホに接続したイヤフォンから聞こえてきます。

あわただしく会話が展開され、やがてそれが落ち着くと、いよいよBABYMETALのライブが始まります。

 

おもむろに流れてきたのは『メギツネ』の冒頭のコーラス。

そして、黒い衣装に身を包んだ神バンドのメンバーたちと共に、キツネ面を顔にあてたBABYMETALとアベンジャーの3人が登場します。

観客に深々とお辞儀をした3人は、後ろを向いてステージの奥へ下がり、キツネ面を外します。  

 

ステージ上のスクリーンには、

「ARE YOU ALL READY TO HEADBANG?」

の文字がでかでかと映し出されます。

 

そして、オープニングパートが終わるのと同じタイミングで、3人は観客の方へと向き直ります。

 

そこにいたのは、SU-METALとMOAMETAL、

 

そしてこの大舞台に姿を現したアベンジャーは、

 

鞘師里保でした(号泣)

 

 

代わりに太ももを叩け!

わたしは歓喜のあまり叫びだしそうになりましたが、早朝に騒ぐわけにはいきませんから我慢して、代わりに自分の太ももを全力で平手打ちしまくりました。

 

その痛さたるや!

 

しかし、興奮しているから痛みなんかどうでもいいのです。

自分の中に湧き上がってくる喜びをどこかにぶつけないとおかしくなってしまいそうだから、とにかくもう、太ももを叩きまくったのです。

 

(うん、すでに充分おかしくなっている)

 

配信が終わってから着替えるために服を脱いだとき、わたしの太ももは赤々と腫れていました。

だけれども、まったく嫌な気持ちにはなりませんでした。

むしろ、幸せを感じていたのです。

 

だって、鞘師里保のステージを見ることができたのですから!

太ももの1本や2本くらい、屁でもないです!

(なんの話やねん)

 

 

鞘師里保のダンスは鞘師里保のダンス!

太ももの話なんかどうでもいいのです。

(じゃあするな)

 

『メギツネ』のイントロで、両手をキツネの耳に見立てて頭に添える振り付けがあるのですが、そのときの鞘師がもうかわいくてかわいくて!

道重さゆみうさちゃんピースに類似したそのポーズ。これだけで永遠にリピートできます。

鞘師は佐藤優樹と共にうさぎの衣装で道重さゆみのバックダンサーをしたことがありますが、今日はうさぎではなくキツネです!

 

と、もはやなにを話しても脱線してしまうような頭パッパラパーな状態です。

だって、鞘師里保が踊っているのですから。

 

画面に映っているアベンジャーの顔は、どこからどう見ても鞘師里保です。

見間違えるはずなどありません。

やはり横浜アリーナでのわたしの不覚は、黒船現象によるものだったのでしょう。

 

今ようやく、わたしの心は黒船鞘師の存在を受け入れて、無事に開国することができたのです。

やっと来ました、文明開化!

ノックミーアウトナウ!(東京事変ネタ)

 

鞘師は、軽快でリズミカルでありながらも安定感を感じさせるダンスで、ステージ上を動き回ります。

 

BABYMETALとモーニング娘。とでは、楽曲のリズムの取り方やアクセントの入り方が違います。

けれども、一定に流れているはずのリズムを大きくうねらせていくかのような鞘師のダンスは、間違いなく鞘師のダンスで、画面の中の鞘師は、まさにそんな鞘師のダンスを踊っていました!(進◯郎構文)

 

わたしは胸に湧き上がってくる喜びの渦に首をぎゅうぎゅうに締めつけられて、感涙を床にぽたぽた落としながら嗚咽を漏らし、太ももをべちんべちんと盛大に打ちつけまくるのでした。

 

もう、いろんな意味でヤバい!!

 

 

再び、情熱のパパヤ!!

この日のセットリストは、BABYMETALのライブの鉄板曲が中心でした。

グラストンベリーという大一番に、彼女たちは百戦錬磨をくぐり抜けてきた安定の布陣で挑んだわけです。

 

しかし、2曲だけ新曲が挟み込まれていました。

ひとつめは『Shanti Shanti Shanti』。

横アリで初めて聴いた瞬間に好きになった曲なので、これは嬉しかったです。

 

グラストンベリーはヒッピーカルチャーの文脈に位置づけられるフェスなので、その思想性に響きやすいエスニック色の塊のような『Shanti Shanti Shanti』をぶつけてきたのは、ひとつの戦略だったはずです。

 

実際に観客は盛り上がっていました。

サビ前にMOAMETALと鞘師が音にハメてステップを踏む振りがあるのですが、とてもとてもかっこよく決まっていました。

 

そしてもう1曲は、同じくエスニックな魅力たっぷりの、あの曲です。

お分かりでしょうか?

 

いきますよ?

 

せーの!

 

 

 

パパヤーー!!!!\(^^)/

 

 

 

 

鞘師里保がBABYMETALで踊っている動画のうち、これは最も古いものです(違法に撮影・アップロードされたものは除く)。

横浜アリーナでは謎のヴェールに包まれていた第1のアベンジャーが、ついに白日のもとにさらけ出されたことへの感慨が湧いてきます。

 

BBCが配信しているこの動画は、BABYMETALのファンはもちろん、国内外のハロプロファンの間でも大きな話題を呼びました。

 

世界中のハロプロファンがきっと、この動画を見て「本物の鞘師だ」という実感を抱いたことと思います。

 

語弊を覚悟で書きますが、『PA PA YA!!』という2019年のBABYMETALの新曲は、鞘師里保のファンにとっては、2019年の鞘師の曲になったのです。

と、このように見立てたくなるほど、記憶に残る印象的な映像になりました。

 

このころ鞘師ファンの口からよく聞かれた言葉に、

「鞘師が楽しそうに踊っているならそれでいい」

というものがありました。

 

これはファンの鞘師に対するさまざまな思いからあふれ出てきた言葉だったことと想像しますが、映像の中の鞘師はほんとうに楽しそうです。

晴れやかな笑顔と生き生きとした躍動感。

彼女にとってBABYMETALでの活動は充実感のあるものなんだなと、画面越しに伝わってきます。

 

また、SU-METALとMOAMETAL、神バンドも気持ちの入ったパフォーマンスを見せてくれています。

 

鞘師のファンの中には、この動画を通じてBABYMETALの魅力を知った人も少なくなかったことと思います。

初見の人の胸に響いたのは、パフォーマンスの素晴らしさであったことはもちろんですが、『PA PA YA!!』という楽曲の持つキャッチーさが果たした役割も大きかったのではないでしょうか。

 

このように、さまざまな人たちの思いに響き、その思いと思いとが重なり合わさっていったことにより、『PA PA YA!!』の持つ価値はよりかけがえのないものへと成長していったのだと、わたしは思います。

 

これが、情熱のパパヤです!

 

 

微笑みの天使MOAMETAL

話が前後しますが『Shanti Shanti Shanti』の次に披露された『Distortion』についてのエピソードにも触れたいです。

 

曲間の、インタールードとでも言えばいいんでしょうか、

そのパートで、BABYMETALと鞘師の3人はステージ後方に下がり、後ろを向いて水分補給をします。

そして、曲が始まる直前でスタンバイをするために立ち位置に戻るのですが、その際に、MOAMETALが鞘師の手にそっと触れるのです。

さらに、彼女はSU-METALの手にも触れます。

 

このちょっとした振る舞いから、MOAMETALの人間性が伝わってきます。

 

彼女は人のことをよく見ており、相手のちょっとした変化を見逃さず、先回りして気づかいをする優しさを、これまでいろいろな場面で見せてきました。

BABYMETALが世界を股にかける大規模な活動をしていく中で、彼女の人間性はチームをひとつにするために大きな役割を果たしたことと思います。

 

そんなMOAMETALの人としての温もりが鞘師に向けられているさまを目の当たりにして、わたしは感動しました。

 

BABYMETALは秘密主義を貫いているグループです。

ステージの映像は数多く目にすることができますが、オフショットの彼女たちの様子は、鉄のカーテンに覆われています。

ステージを降りたときの彼女たちが、バックヤードでどのような顔をしてどのような会話をしているのか、ファンたちは窺い知ることができないのです。

 

鞘師は人間関係に器用なタイプとは言えません。

自分の気持ちをうまく表現することも苦手だと思います。

 

グラストンベリーの時点で鞘師は21才ですが、イメージはどうしてもモーニング娘。に在籍していたころの10代のまま。

子どもを見守る親の気分のようで、本人からしたら余計なお世話なのかもしれませんが、わたしは彼女がBABYMETALの中でうまくやれているのだろうかと、いらない心配をしていました。

 

しかし、MOAMETALが鞘師の手に触れる姿を見て、それが杞憂だったことを知りました。

 

いくら元モーニング娘。の絶対的エースと言っても、鞘師はひなフェスで再び表舞台に戻ってくるまで、長期間のブランクを挟んでいます。

そして、アベンジャーとしてデビューしたわずか2日後にグラストンベリーの大舞台に立つという、過酷なスケジュールの只中にいるのです。

彼女が大きなプレッシャーを感じていたことは想像に難くありません。

 

もちろん、そんなプレッシャーすら力に変えるのが鞘師里保なのですけれども、それでも不安は大きかったはずです。

 

ステージ上でMOAMETALが鞘師の手にそっと触れたとき、鞘師がそれをどれだけ心強く感じただろうかと想像すると、胸が熱くなってきます。

 

彼女たちの絆が垣間見えたようで、深く感動しました。

 

 

“限界を感じたときにこそがんばる”

ライブのフィナーレはBABYMETALのアンセムのひとつ『Road of Resistance』でした。

鞘師はこの曲で、残っている力のすべてを出しきろうとするかのような、全力でダイナミックなダンスを見せます。

 

今、そのときの鞘師の姿を見て思い出す言葉があります。

ハロプロのもっとも新しいグループであるBEYOOOOONDSの小林萌花が、2019年8月にラジオで話していたことです。

 

以前、鞘師里保さんにお会いしたときに、メンバーが「体力作りをどうされてましたか?」っていう質問をしてたんですけど、そのときに鞘師里保さんが「限界を感じたときにこそがんばる」って言ってて。

 

これは3月のひなフェスのときのエピソードではないかと思われます。

おそらくこの質問をした人は、鞘師が日ごろしているトレーニングについて聞きたかったのではないかと思います。

しかし、鞘師の答えは「限界を感じたときにこそがんばる」というもの。

彼女の生きざまがありありと見えてくるようで、とてもかっこいいです。

 

『Road of Resistance』の鞘師からは、まさにこの言葉通りの印象を受けます。

実際に体力的な限界にあったのかどうかは分かりませんし、彼女はそんなにヤワではないと思いますが、上に書いたようにブランク明けの強硬日程です。

余裕綽々でステージに立っていたわけではないように思われます。

 

しかし、鞘師はこうした悪条件には負けず、最後は気持ちでねじ伏せてみせるのです。

 

慣れない環境で探り探りパフォーマンスをするのではなく、恐れずにフルスロットルで自分を追い込んでゾーンに突入し、そこからは魂で踊っていく。

仮にこのとき鞘師が限界を迎えていたのだとしても、それは彼女の体力不足やペース配分のミスによるものではなく、彼女自身がそうなるように仕組んだからだと思います。

“限界を感じたときにこそがんばる”自分のことを、鞘師はきっと信頼しているはずです。

すべては、よりよいパフォーマンスを披露するために。

 

わたしは2019年の鞘師のパフォーマンスの中で、このグラストンベリーの『Road of Resistance』がもっとも好きです。

 

このあと世界各地をツアーで回る中で、グループとしても個人としても完成度をどんどん増していき、その姿を見てわたしは感動し続けていくのですが、しかし、グラストンベリーで全力を出しきるように踊る鞘師は、当時の自分の心境とも相まって、いつまでも特別なままです。

 

かくして、BABYMETALはグラストンベリーのステージを完走し、見事に大成功を収めてみせたわけです。

 

 

 

 

 

3.ロンドンへ

これで怒涛の強硬日程は終わり!

とはなりません。

 

BABYMETALはグラストンベリーの2日後に、ロンドンのO2 Academy Brixtonでライブをおこなうのです。

 

止まることなく進み続ける彼女たちを追っていくだけで、目が回りそうになります。

グラストンベリーで感動したばかりだと言うのに、わたしはまたもや「ロンドンのアベンジャーは誰だろう?」というモヤモヤした気持ちへ沈み込んでいくのです。

 

 

続く!