たまさんブログ

好きなものが好きだー!

2019年の鞘師里保とわたし⑥ ~横浜アリーナ編・後編~

前回の記事はこちら

 

 

今回は思いの外、長くなってしまいました。

事実関係のみを知りたい方は、目次の1、2、5の部分をピックアップしてお読みください。

 

 ~目次~

 

 

 

 

1.鞘師がいる人生って素晴らしい

前回の記事では、横浜アリーナのステージに鞘師がいると気づけなかったことへの、鬱々とした気持ちを綴ってしまいました。

ほんとに悔しかった……

 

しかし、あれから一夜明けて、朝の空気を吸い込みながらわたしの胸に去来したのは、

 

鞘師里保が帰ってきてくれてほんとうによかった!

 

という純粋な思いでした。

 

ひなフェス以来、次の活動についてなんの発表もなかった鞘師ですが、まさかのまさか、なんの予告もなく流星のように現れてBABYMETALのステージに降り立ったのです。

 

かっこいい……しびれる……

 

しかも、BABYMETALはわたしの大好きなアーティスト。

そこに鞘師が合流すると言うのです。

おそらくは、アクターズスクール広島での縁から出てきた話でしょう。

それを思うと、胸が熱くなってきます。

 

一刻も早く、BABYMETALと鞘師が並び立っている姿をこの目で見たい!

(昨日見たやん、というツッコミはなしでお願いします。あれはなかったことにします)

 

ところで、モーニング娘。現役メンバーの森戸知沙希は、鞘師里保のことを尊敬しており、また、BABYMETALのファンであることで知られています。

 

BABYMETALと鞘師がタッグを組んだという報が流れたころに、ハロヲタの間で、

「これでちぃちゃん(森戸)の好きなもの全部のせ丼が完成した」

という声が上がりました。

 

これ、わたしの好きなもの全部のせ丼でもあります!

やったね、ちぃちゃん!!

 

以前書いた「2019年の鞘師里保とわたし① ~ひなフェス編~ - たまさんブログ」という記事でも触れましたが、わたしが鞘師を知ったとき、彼女は既にモーニング娘。を離れ、海外留学へ旅立っていました。

 

3年に渡り夢に見てきた、鞘師をリアルタイムで追うということを、やっとできるようになったわけです。

しかも、もともと追っていたBABYMETALを追っていけば、同時に鞘師を追っていくこともできる。

 

なんて美しい世界。

 

鞘師がいる人生って素晴らしい!

 

しかし、その一方でひっかかることもあります。

昨日アベンジャーズについてアナウンスされた内容です。

 

それによれば、アベンジャーズは3人いる。

そして、誰が登場するかは当日になるまで分からない。

 

鞘師が出ることを期待して会場へ足を運んでも、そこに鞘師がいるという保証はない、ということになります。

 

このアベンジャーズ体制の設定により、このあと多くの鞘師ヲタたちが、そしておそらくは他のアベンジャーズのファンたちも、BABYMETALの運営に翻弄され、このとんでもない狂想曲にもみくちゃにされていくのです。

 

わたしがこのときに思っていたことはただひとつ。

 

今日の横浜アリーナ公演2日目に、鞘師は出るのか?

 

ということでした。

 

普通に考えたら、昨日が鞘師だったのなら、今日は別の人になるでしょう。

 

しかし、可能性はゼロではない。

その日その時間にその場所へ行ってみなければ、どのアベンジャーズが降臨するのかは分かりません。

 

この状況下でわたしが「今日も鞘師が出るかもしれない」という可能性に過度な期待をもって横浜アリーナへ向かったことは、極めて自然なことだったと、振り返って思います。

 

だって、鞘師が大好きなのですから!

 

 

 

 

 

2.第二のアベンジャー降臨

わたしはわくわくしながら、横浜アリーナのスタンド席で開演を待っていました。

鞘師が出るかもしれないなら、アリーナ前方の「超MOSH'SH PIT」のチケットを取ればよかったな、なんて思いながら。

 

開演時間になると、昨日と同じ演出でステージは進んでいきます。

アベンジャーズについての紹介がなされ、そのうちのひとりがSU-METALとMOAMETALの隣に並びます。

 

そして『Arkadia』が始まります。

 

昨日に比べるとかなりの良席だったので、ステージ上の3人の顔はなんとか見ることができます。

しかし、それでは不十分。

やはりスクリーンに目をやります。

 

わたしはステージそっちのけでスクリーンに目をこらしました。

鞘師かも? いや違うかも?

 

のちにわたしは、ステージに3人が登場した瞬間にシルエットからどのアベンジャーズなのか判別できる能力を手に入れますが、このときはまだそんなものはありません。

なんせ、他のアベンジャーズがどんな人なのか、まだわからなかったのですから。

っていうかそもそも、昨日鞘師を鞘師だと認識できなかったポンコツの目では……いや、この話はやめましょう。

 

とにかく、わたしはこのアベンジャーが鞘師なのか鞘師ではないのか、はっきりした確信を得られるまで、注意深くスクリーンを見つめました。

 

そして、「この人は鞘師ではない」という結論に辿り着きました。

 

今日のアベンジャーはずいぶんと幼く見えます。

キビキビとした動きで、MOAMETALとよくシンクロしたダンスを見せてくれています。

 

嘘偽りなく、正直に言います。

わたしは意気消沈してしまいました。

 

もちろん、彼女にはなんの非もないのです。

しかし、「鞘師じゃなかった……」というがっかりした思いから抜け出すまで、結構時間を要しました。

 

とは言え、もともと大好きなBABYMETALのライブです。

途中から気持ちを立て直し、新しいBABYMETALの日の出を、昨日のように満喫することができました。

 

 

 

 

 

3.アベンジャーズについて思うこと

さて、このとき体験した感情の流れは、アベンジャーズを追っていくなかで、何度も反復されることになるものです。

 

鞘師が出るんじゃないかと期待する。

しかし、別のアベンジャーであったことに気づく。

意気消沈する。

気持ちを立て直してBABYMETALとそのアベンジャーを楽しむ。

 

繰り返しますが、アベンジャーズにはなんの非もありません。

 

しかし、どうしてもがっかりしてしまうのです。

 

鞘師以外の2人のアベンジャーのことは、正体を知り、ライブで踊っている姿を何度も見るうちに、どんどん好きになっていきます。

愛着さえ抱くようになっていきます。

確かなスキルに裏打ちされた彼女たちのステージは素晴らしいです。

 

また、3人の個性の違いを味わうことも、アベンジャーズを追う醍醐味のひとつだと思います。

 

でも、鞘師は鞘師なのです。

初めて『スカッとMy Heart』のMVを見たときから今に至るまで、ずっと思い続けていた人なのです。

わたしにとって、特別な人なのです。

 

はっきり言いますと、わたしが見たいアベンジャーは、鞘師里保なのです。

 

この気持ちは、2人のアベンジャーを推している方も共感してくれるものではないかと想像します。

わたしと同様に、その人たちが見たいアベンジャーは、ずっと変わらず自分の推しだったはずです。

 

このことは、非常に口にしづらいものです。

 

BABYMETALのライブを見に行って、そこに鞘師がいなかったとがっかりするのは、本来なら筋違いな話です。

だって、BABYMETALのファンがBABYMETALを楽しむためのライブなのですから。

鞘師はダンスのプロとして、不定期にそのステージに立っていただけなのです。

 

さらに言うと、もし他のアベンジャーのファンの人が「今日は鞘師が出てきて残念だった」と言っているのを聞いたとしたら、わたしは不快な思いをしたと思います。

(幸い、わたしはこのような声を聞いたことがありません。彼女たちはとてもいいファンに恵まれているのでしょうね)

 

これは、逆の立場であっても同じことです。

 

だから、鞘師じゃなかったときのがっかり感は、胸の奥にしまっておくのです。

 

こういったことを、これからBABYMETALとアベンジャーズを追っていくなかで、わたしは何度も繰り返していくのです。

 

と、ネガティブなことを書いてしまいましたが、このアベンジャーズというシステムは、こういったことを補って余りあるくらいの財産を、わたしたちにもたらしてくれました。

 

それは、カルチャーの垣根を越えたファン同士の交流です。

おかげで非常に得がたい経験をすることができました。

これはまた別の機会に書きます。

おそらく11月のSSA公演のときになるかと思います。

 

これを書いている2020年8月現在、アベンジャーズ体制のBABYMETALが今後も活動を続けていくのか、分かっていません。

関係者の動向を見ていると、もう同じメンバーでステージを作っていくことはないのではないか。そんな風にも思われてきます。

 

ここにはっきりと書いておきます。

 

わたしは、SU-METALとMOAMETALとアベンジャーズの3人に、今後もなんらかの形で共演してもらいたいと思っています。

それは、彼女たちが2019年から2020年にかけて作ってきたステージが非常に魅力的で、そのおかげで常にわくわくした気持ちで日々を過ごすことができたからです。

とんでもない感動をありがとう。夢を見させてくれてありがとう。そう伝えたいです。

 

わたしはBABYMETALとアベンジャーズの5人が大好きです!

 

このことを、はっきりと強調しておきたいです。

 

なんだか最終回みたいなことを書いてしまいましたが、まだまだ続きます 笑

書くことは山ほどあります。

 

そのなかで、わたしはまたがっかりした気持ちを言葉にすることになるかと思います。

 

しかし、それも含めて、アベンジャーズなのです。

 

今後もアベンジャーズについて、楽しかったこと、悲しかったこと、全部ありのままに書いていくつもりです。

どちらか片方だけでは、わたしが体験したアベンジャーズというものを、語り尽くすことはできないからです。

 

心の清濁を併せ飲むことで、すべてがこの輝かしいドラマを彩る星々となるのです。

 

胸をよぎるさまざまな感情も全部含めて、わたしはBABYMETALとアベンジャーズに出会えてほんとうによかったと思っています。

 

 

 

 

 

4.第二のアベンジャーの正体は? ~ハロヲタによるしつこい分析~

さてここからは、横浜アリーナ公演2日目のステージを見事に務め上げた、第二のアベンジャーについて紹介したいと思います。

 

彼女の名前は藤平華乃

 

この時点ではまだ14才でした。

BABYMETALとアベンジャーズの5人の中では最年少になります。

なのに他のメンバーたちに引けを取らないダンススキル、末恐ろしいです……

普通に考えてヤバいですよね……

 

彼女はSU-METALとMOAMETALを輩出したアイドルグループ、さくら学院の2019年度生徒会長(リーダー)です。

そうです、なんと現役リーダー!

 

かねてからBABYMETALへの憧れを口にしていた華乃ちゃんが、アベンジャーとしてBABYMETALと共演を果たした姿は、父兄さん(さくら学院のファン)にとって、きっと感慨深いものであったことと思います。

 

わたしはモーニング娘。のヲタクなので、華乃ちゃんに関する情報のなかで、非常に気になる部分があります。

 

それは、彼女が2020年4月29日に投稿したブログに書かれていた内容です。

 

質問に回答する形で書かれているこのブログ。

直筆ってのがいいですね!

一部引用します。

 

さいきん聞いてる曲は?

ハロプロさんの曲を沢山聞いています♥️!!

モーニング娘。さん〉

  • 人間関係No way way
  • 笑顔の君は太陽
  • 若いんだし!

鈴木愛理さん〉

  • 未完成ガール
  • 光の方へ

 

モーニング娘。さんの事をいつから知っていたの? あと、好きな人は?

詳しいことは忘れちゃったんですけど、小学校高学年の時です!!

歌もダンスも本当に上手で憧れます。

 

 

おっと華乃ちゃんハロヲタじゃねえか。

 

 

さて、これらの情報を分析してみたいと思います。

 

……マジかよって思ったそこのあなた、わたしはマジです!

しかも、わりとガッツリ書くつもりなので、興味のない方は遠慮なく飛ばしてください!

 

まず、2020年3月に中学を卒業した華乃ちゃんが、小学校高学年(4~6年)だったのは、2014年から2016年になります。

 

つまり、モーニング娘。'14からモーニング娘。'16にかけてのどこかで、華乃ちゃんは娘。を好きになったわけです。

(正確には2017年3月までのどこかになりますが、2017年に好きになったってことはさすがにないだろうと判断しました。だったら覚えていそう)

 

2014年と言えば、前々回の記事(2019年の鞘師里保とわたし④ ~横浜アリーナ編・前編~ - たまさんブログ)に書いた通り、横浜アリーナ道重さゆみ卒業コンサートがおこなわれた年です。

そして、華乃ちゃんがお気に入りの楽曲として挙げている『笑顔の君は太陽さ』がリリースされた年でもあります。

伝説の'14ですね。

 

2015年は、大晦日鞘師里保が卒業した年です。

つまり、華乃ちゃんは絶対的エースとして鞘師が君臨していたモーニング娘。を、リアルタイムで追っていた可能性があります。

 

そして2016年は、“鞘師以後”のモーニング娘。がスタートした年です。

道重・鞘師というビッグネームが卒業したモーニング娘。は、ここから新体制のもとパフォーマンスを練り上げていき、現在へと繋がっていく。という風に、わたしは娘。の歴史を捉えております。いわば要の年です。

 

そして、好きな楽曲の先頭に書かれている『人間関係No way way』は2020年1月にリリースされた新曲です。

 

いわば、今のモーニング娘。

 

華乃ちゃんは'14、'15、'16のどこかのタイミングから、現在の'20まで、ずっとモーニング娘。を見続けてきたのでしょう。

そう、現役の娘。ヲタである可能性が高いです。

 

今度は好きなメンバーを見てみます。

佐藤・工藤・鞘師。

 

工藤遥鞘師里保はすでに卒業しているので、華乃ちゃんの現役の推しメンは、佐藤優樹(まーちゃん)ということになります。

 

わたくしもまーちゃんヲタク、略してまーヲタ

奇遇ですね^ ^

 

ここからは完全なる妄想なのですが、華乃ちゃんはステージ上で、なんともセクシーで、挑発的にも見えるキメ顔を見せることがよくあります。

めちゃくちゃかっこいいです!

藤平華乃の必勝パターン」と、わたしは勝手に呼んでいます。必ず勝ちます!

 

こんなところに、同じく楽曲のアクセントやキメとなるポイントに、ドンピシャで妖艶な表情を合わせてくるまーちゃんの影響があったりなんかして!

 

まーヲタのわたしはそんなことを夢想しては、ひとりでニヤニヤしているのです。

(どうかそっとしておいてください)

 

ところで、まーちゃんにとっても『笑顔の君は太陽さ』は特別な意味を持つ曲なので、そこからも影響関係を見て取ることができますが、そこまで語ると脇道に逸れすぎてしまうのでそれは置いといて。

(やっぱり一言だけ言わせて。華乃ちゃんはこの曲に励まされながら、悔しさを忘れず、歯を食いしばって努力を重ねてきたのではないかと思うのです 泣泣泣)

 

 

さて、佐藤・工藤と言えば、通称まーどぅーコンビ。

ファンのあいだで、いまだに根強い人気を誇る名コンビです。

 

ステージ上でこのふたりが触れあったり、笑顔で見つめあったりしただけで、会場にまーどぅーヲタの黄色い悲鳴が鳴り響いた時代もありました。

ハグでもしようものなら、もう大変でした。

(19~20のカウコン、ヤバかった……)

 

工藤遥の卒業曲は、華乃ちゃんが好きな楽曲に挙げている『若いんだし!』。

 

この曲はとにかくもう、工藤遥です。

工藤遥以外のイメージはなにもないと言っても過言ではないくらい、工藤遥です。

 

というわけで、

華乃ちゃん、かなりガチなまーどぅーヲタなんじゃなかろうかと想像します。

実際、まーヲタってわりとヤバめな人が多(略

 

(わたしはそんなまーヲタたちが好きです^ ^)

 

さて、鞘師里保です。

 

本来の序列(デビュー順&年齢順)であれば「鞘師・佐藤・工藤」となるところを、あえて「佐藤・工藤・鞘師」と書かれています。

 

現役の推しである佐藤優樹を先頭にした、とも読めますが、わたしは違うような気がします。

この順番からは、鞘師への親愛の情が感じられるからです。

 

華乃ちゃんにとって、まーどぅーはあくまでも推しているアイドルであり、直接の接点はわたしが知る限りありません。

ファンとして、このふたりのことを応援しているのでしょう。

 

鞘師は違います。

 

華乃ちゃんと鞘師はBABYMETALで活動を共にした、いわば仲間です。

 

アベンジャーズのオファーがかかったとき、華乃ちゃんはきっと、憧れのモーニング娘。の元エース、鞘師と共に活動することを楽しみにしていたんじゃないかと思います。

そして、極めて限られた時間ではありながらも、鞘師と交流を深めてきたのではないかと想像します。

 

華乃ちゃんにとって、鞘師は憧れの存在でありながら、仲間でもあり、人生の先輩としても慕っていたのではないでしょうか。

 

「佐藤・工藤・鞘師」という並びから、そんなことを感じました。

特別な鞘師さんのことは、そっと最後に、慎ましやかに書き添えておく。

 

アベンジャーズの絆がこんなところに見え隠れしているように、わたしには思われます。

 

どうやらアベンジャーズ体制のBABYMETALは、華乃ちゃんにとっても「好きなもの全部のせ丼」だったようです。

 

鈴木愛理の曲を聴いているのも興味深いです。

華乃ちゃんの大先輩であるMOAMETALは、鈴木愛理のファンであることが知られています。

もしかしたら、MOAMETALの影響で鈴木愛理に興味を持ち、ハロプロ沼へと入っていったのかもしれませんね。

 

そんな藤平華乃ちゃんは、2019年10月に結成された音楽ユニット、@onefiveでの活動に精を出しているようです(鞘師が@onefiveのインスタにいいねしていたのも記憶に新しいですね)。

 

@onefiveでの華乃ちゃんのダンスを堪能できる動画が上がっていたので貼っておきます!

(オープニングの立ち位置で、前列のこちらから見て右側にいるのが華乃ちゃんです)

 

また、今月30日には、延期されていたさくら学院の卒業式も、無観客ですが開催されることになっています。

 

今後の動向にも注目ですね。

 

(いつか華乃ちゃんとまーちゃんが共演する姿を見てみたい!!)

 

 

 

 

 

5.いざ、イギリスへ!

本編よりも補足情報の方が長くなってしまいましたが、閑話休題

 

BABYMETALは横浜アリーナでの公演を終えると、休む間なくその足で空港に向かい、遠くイギリスへと飛び立ちます。

まさに怒涛のスケジュール。

 

もちろん、観光を楽しむためではありません。

 

世界最大級と謳われる野外音楽フェス、グラストンベリー・フェスティバルへ出演するためです。

 

横浜アリーナで反撃の狼煙を上げたばかりのBABYMETALでしたが、早くもこの年最大の対外試合へと挑んでいくことになるのです。

 

もちろん、わたしにとって最大の関心事は、この決戦に帯同するアベンジャーが誰なのか、ということです。

 

2019年の鞘師里保とわたしのストーリーは、ここで最初の山場を向かえることになります。

 

 

こちらへ続く↓

 

2019年の鞘師里保とわたし⑤ ~横浜アリーナ編・中編~

前回の記事はこちら

 

目次を作ることを覚えたので、どん!!

 

 ~目次~

 

 

 

1.日はまた昇った!!

BABYMETALのライブが始まりました。

 

爆音を浴びながら、センターステージに置かれていた八面体のモニュメントが解体し、翼となってメインステージの方へ飛んでいきます。

そして、その翼には、これまでのBABYMETALの足跡を辿るような映像が映し出されます。

 

スクリーンが蝶々みたいに飛んでいく。

 

すごっ!!(゜ロ゜)

 

そして、メインステージの背景に設置されたスクリーンの映像とアナウンスで、メンバーの名前が高らかに宣言されます。

 

VOCAL and DANCE, SU-METAL

SCREAM and DANCE, MOAMETAL

 

BABYMETAL正規メンバーのふたりです。

会場が歓声に包まれます。

 

続いて、このようなナレーションが流れます。

 

SU-METALとMOAMETALをサポートするメンバー「アベンジャーズ」というのが3人いる。

FOXGODによって、公演ごとにアベンジャーズのうちひとりが召喚される。

誰が出てくるかはその日になってのお楽しみ!

 

つまり、3人体制のBABYMETALが戻ってくるということです。

ダークサイド期のBABYMETALは4人になったり7人になったり3人になったり、アメーバのようにビヨーーーーーンと形を変えてきたわけですが、これからは3人固定でいく!と。

 

アベンジャーズのうちのひとりが前へ出て、SU-METALとMOAMETALに並びます。

そして新曲『Arkadia』が投下されて、ライブの本編が始まります。

 

フォーメーションはYUIMETALがいたころを思い出させる栄光のトライアングル。

楽曲はこれが初披露となる『Arkadia』。

 

ステージ上の3人の姿とパフォーマンスは、過去を想起させながら未来へと突き進んでいく、真新しいBABYMETAL!

 

こういうのが見たかったんだ!

 

THE SUN ALSO ARISES!!

日はまた昇った!!

 

 

 

 

2.黒船アベンジャー、横浜来港

さて、ここからです。

わたしが書いていてつらくなるのは。

 

会場の多くの人たちと同様に、わたしはサポートダンサーに目をこらします。

 

彼女のダンスはこれまでのBABYMETALでは見ることのなかった、ダイナミックなもの。

四肢を大きく動かし、楽曲のリズムをうねらせていくように見えました。

 

わたしがいるのはステージから遠く遠く離れたスタンド席。

肉眼でサポートダンサーの顔を見るのはまず不可能です。

 

そこでスクリーンに頼るわけですが、彼女の顔は序盤に一瞬だけ大きく抜かれたあとは、ほとんど映されることがありません。

 

しかし、彼女はわたしがよく知っている人物でした。

例え映し出されたのが一瞬であったとしても、見間違えることなどあり得ないくらい、わたしはさまざまな映像を通して、彼女の顔を何度も何度も目にしたことがあるのです。

彼女のことを、わたしは約3年の間、信奉し続けてきました。

 

もう一度書きます。彼女の顔を見間違えることなど、あり得ないのです。

 

わたしはこのとき、即座に確信しました。

 

 

 

 

「誰だかわかんないや。どうせ知らない人だろ」

 

 

 

 

と。

 

うっっっ……

苦しい……

 

例えばの話をします。

これがBABYMETALではなく、ハロプロの会場だったらどうだったでしょうか?

 

間違いなく、わたしは彼女の正体を見抜いていたでしょう。

 

突然ですが、ここで幕末のエピソードをひとつ。

 

1853年、浦賀沖に突如姿を現した黒船。

この大大大事件を契機として、日本という国は泰平の時代から激動の時代へと放り出されていくことになります。

 

この黒船の姿を、庶民の多くは見ることができなかった、という話があります。

隠されていたとかそういうことではなく、目の前にあるのに見えなかった、ということです。

 

蒸気船はこの時代の日本には、当然ながら存在しないものでした。

言ってみれば、多くの日本人にとって黒船は正体不明の化け物のようなものです。

 

人間の脳は、到底想像もつかないようなあり得ないものを認識できないことがあるそうです。

 

江戸時代の庶民の脳は、訳のわからない黒船の存在をシャットアウトして、見ることを拒否していたわけです。

 

このエピソードが史実に沿ったものなのかどうかは分かりませんが、ここで言いたいのはこういうことです。

 

あのサポートダンサーは黒船で、わたしは江戸時代の庶民だった。

 

だって、あり得ませんよ。

 

つい3ヶ月ほど前に、ひなフェスで鮮烈に復活を果たした黒船さん(仮名)が、次の活動としてサポートダンサーをやるなんて。

しかもBABYMETALのステージで。

 

庶民ことわたしはきっと、一瞬スクリーンに大映しになった黒船さんの顔が誰のものであるかを見極めていたはずです。

 

しかし、脳がその視覚情報と黒船さんの名前を結びつけることを拒んだのです!

 

だから、これは仕方のないことだったんです!!(て思うしかないよね(T_T)

 

このとき、わたしの頭の中は、次のような思いでいっぱいになっていました。

 

 

SU-METALの腰から上が抜かれるカットめちゃくちゃ美しいなおい!!

 

 

そんなことを考えているうちに、ライブは終わりました。

いや、SU-METALはしばらく見ないうちに、ほんとうに大人らしく、美しくなったものだと思います、ハイ。

 

ライブの見所はたくさんありましたが、いちばん印象に残ったのは新曲『Shanti Shanti Shanti』でした。

 

魅惑のインドワールド。

脳が沸騰してスタンド席で踊ってしまいました。

周りに迷惑をかけていなかったことを祈るばかり。

 

 

 

 

 

3.鞘師は今ごろなにをしてるんだろう?

わたしは大満足で横浜アリーナをあとにしました。

大きな忘れ物をしてきたことに、まったく気づくことなく。

 

素晴らしいライブを体験したあとの帰り道が好きです。

記憶を頼りに頭の中で見てきたものを再生したり、耳奥の残響を味わったり。

 

このときわたしは、新横浜の星空を見上げて、あることを考えていました。

どうしても考えずにはいられませんでした。

 

それは、

 

 

「鞘師は今ごろなにをしてるんだろう?」

 

 

ということ(爆)

 

わたしのなかで、SU-METALと鞘師里保はセットです。

ふたりは、かつてアクターズスクール広島で芸の研鑽に励んでいました。

 

これを初めて知ったときは興奮しました。

それぞれ別の経路から好きになったSU-METALと鞘師に、こんな共通点があったとは。

アクターズスクール広島おそるべし……

 

ですから、つい先ほどSU-METALに魅せられたばかりのわたしは、鞘師のことを考えずにはいられませんでした。

 

ひなフェス以来、沈黙を続けている鞘師。

今日のSU-METALみたいに輝いている鞘師の姿を、早く見たい。

早く鞘師に会いたい。

 

 

 

爆笑

 

 

 

 

 

4.ネットの情報は信用ならない

新横浜から横浜線に乗り込んで、わたしはスマホに目をやります。

さっきのライブの感想をツイートしてる人いないかなぁ。

そしてわたしは、思わず叫びそうになります。

 

 

「はぁ??」

「なにねむてえことを言ってやがる!!」

 

 

ネットの情報なんて信用ならないものです。

そこでは、あのアベンジャーの正体は鞘師里保じゃないかという噂が拡散されていたのです。

 

いやいや、あり得ないでしょう?

黒船さんが鞘師だなんて。

 

だってわたくし、さっき自分の目で見てきたばかりですもん。

そしてわたくし、ハロヲタで鞘師ヲタですもん。

もし黒船さんが鞘師だったら、見間違えるわけがないでしょう。

 

安易な推測と無責任な拡散に、わたしは少々ムッとしました。

 

黒船さんが鞘師なんてこと、あってはならぬのです!

 

 

 

 

 

5.果たして黒船さんの正体は……

わたしはBABYMETALのサポートダンサーが鞘師だったという情報に憤慨しながらも、帰宅後もTwitterをチェックせずにはいられませんでした。

頭の片隅に「もし本当だったら?」という考えが消えなかったからです。

しかし、先に書いた通り、あれが鞘師であったなど、あってはならぬのです。

 

黒船さんの正体は、呆気なく明らかにされます。

 

 オープニングからキレッキレのダンスで、集まった1万5000人のファンを驚かせたサポートダンサーの正体は、元モーニング娘。鞘師里保(21)だった。

 

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

鞘師里保(21)だった

 

 

すみません、ショックで少し壊れていました。

 

まず最初に思ったのは、

ハロヲタやめよう」

ということ。いや、やめませんでしたけどね。

 

鞘師の再始動をここは気持ちよく祝いたいところです。

しかし、そんな気持ちにはとてもなれそうもありませんでした。

わたしは鞘師が踊っている姿を目にしていながら、それが鞘師であると認識できなかったのですから。

 

鞘師を生で見るのは、このときが初めてでした。

だけど、認めたくありません。こんなのってあるかい?

でも、自分の目で鞘師里保を見ることができた喜びも感じているのです。

だからこそ、悲しくて仕方ありませんでした。

 

今だから笑える話です。

 

ともかく、BABYMETALさんと鞘師さん、新たなスタートおめでとうございます!!

そして、道重さゆみの卒コン以来、初めて横浜アリーナに立ったことで、鞘師にとっては二重に特別な意味を持つ1日になったと思います。

(この気持ちを持てたことが最大の救いですね)

 

BABYMETALというこれまで歩んできた道とは異なる世界に、黒船のごとく飛び込んでいった鞘師を、庶民のわたしはこのあともめげずに追い続けていきます。

 

横浜アリーナの鞘師についての文章はここまでになります。

しかし、あと少し、書いておきたいことがあります。

 

それは、生まれて初めて「鞘師が出るかもしれないと思っていたけど出なかった」という経験をした、2日目の公演のことです。

 

きれいごとだけを書くのはかんたんです。

しかし、アベンジャーズ体制のBABYMETALを追っていくなかで、何度も何度も感じてきた葛藤について触れずに、2019年の鞘師里保について書いていくことは、嘘を吐き続けるようなものです。

 

よその界隈のファンをも巻き込んだ難しい問題なので、繊細なものではありますが、2019年のひとつの記録として、思いを言葉にしておきます。

 

 

後編へ続く

 

2019年の鞘師里保とわたし④ ~横浜アリーナ編・前編~

前回の記事はこちら

 

いよいよ2019年6月28日(金)を迎えました。

BABYMETALが新たなスタートを切る「BABYMETAL AWAKENS -THE SUN ALSO RISES-」という横浜アリーナ2days公演の初日です。

 

直訳すれば「BABYMETALの目覚め ~日はまた昇る~」といったところでしょうか。

 

前回の記事で書いた通り、ここ1年半ほど苦難にまみれていたBABYMETALが、この公演を新たな栄光への足がかりにしようとしている意気込みが伝わってきます。

 

わたしはその日の仕事を終えると東京駅から新幹線にダッシュで飛び乗り、たったひと駅先の新横浜駅で下車して、横浜アリーナへ向かいました。

幸い、開場時間ちょうどくらいに現地に着くことができました。

 

……

 

…………

 

………………

 

ぐはぁ!

わたしはこの記事をどういうテンションで書けばいいのでしょうか??(´;ω;`)

 

この日のライブはとんでもなく素晴らしいもので、BABYMETALはわたしに新しい景色を見せてくれました。

とても感動して、帰途についたものです。

 

しかし!

 

わたしにとっては非常に苦い思い出にもなったのです。 

これまで生きてきた中でもあまり味わったことのないような、悲しくて、つらい日でした。

 

だから、悲嘆に満ちたトーンで書いていくべきなのでしょうか。

 

いや、それじゃあBABYMETALとあのお方の新しい門出に泥を塗ることになっちまう。

 

というわけで、あふれでる涙は腹いっぱいに飲み込んで、ここは自虐に走ることにしやす。

どうぞ愚かなおいらを思う存分嗤っておくんなまし。

 

閑話休題

 

開場時間ちょうどくらいに横浜アリーナに到着し、入場ゲートへ向かおうとしましたが、なにか様子がおかしい……。

 

ゲート前のエリアから人が減りません。

しばらく待っても状況は変わりません。

 

開場が遅れたんですね。

 

わたしは思いました。

「これはYOSHIKI様イズムだな……」と。

 

YOSHIKI率いるX JAPANのライブは、開場開演が大幅に遅れるのでお馴染み。

(今はどうか知りませんが)

 

観客の心に飢えを生み出すことで、開演の瞬間の爆発力を増幅させて、その日のライブを伝説化する魔法(これ妄想です)。

そして伝説の語り部となった観客たちは後に語るのです。

「あの日のライブは、始まるのがとても遅れてね……」

これぞ伝説の枕詞!!

 

(繰り返します。この部分は妄想の産物です。普通に機材トラブルかなにかだったのでしょう)

 

ともかく、

あの日のライブは、始まるのがとても遅れてね。

(ほら出ました枕詞)

 

蒸し暑いなか長時間外にいたせいで、会場内に入ったころには、すでにくたくたになっていました。

 

さて、この日わたしがいた場所はスタンド席。

BABYMETALの世界ではMOSH'SH SEAT(モッシュッシュシート)と呼ばれているところです。

ステージは遥か遠くに見えました。

 

開演は1時間以上押していたように覚えています。

こんなんだったら新幹線に乗る必要なかったのに!

こればっかりは先読みできるものではないので、仕方ないですね。

 

開演までの長い長い待ち時間、わたしはスマホをいじったり、ぼーっとしたりしながら過ごしていました。

 

目の前には横浜アリーナの景色が、広々とひろがっていました。

 

このときに考えずにはいられなかったことがあります。

それはモーニング娘。のことです。

 

2014年11月26日、ここ横浜アリーナで、

モーニング娘。’14 コンサートツアー秋 GIVE ME MORE LOVE ~道重さゆみ卒業記念スペシャル~」

という公演がおこなわれました。

 

8代目リーダー道重さゆみという、モーニング娘。の歴史に燦然と輝くレジェンドが卒業していった地なのです。

 

大好きな道重さんを送り出すために、このコンサートに懸ける後輩たちの意気込みは半端ないものだったようです。

そして、その意気込みから生み出されたステージは、道重さゆみ同様、レジェンドと言えるものになりました。

(伝説のフクムラダッシュは、メンバーやファンの間で語り継がれています)

 

このコンサートの終盤に、道重さゆみはこんな言葉を発しています。

 

「私は、(後輩に)この景色を見せてあげたかったんです。これが私にできる最後の恩返しです。今回は私が卒業ということで立つことができたけど、これからは単独のコンサートでみんなにもこの景色を見てほしい。そして私の知らなかったような、もっと大きな景色をみんなに見てほしい。その時は、みんなから見る景色の一部に、さゆみもいると思います」

道重さゆみが後輩に見せた景色……娘。が横浜アリーナに帰ってきた! | ENTAME next - アイドル情報総合ニュースサイト より

 

……泣くよね。引用者は泣いています。

 

黄金期のモーニング娘。と比べると、近年のモーニング娘。の活動は、そこまで“派手”なものではありません。

 

もちろん“派手”ならそれでいいというわけではなく、近年のモーニング娘。は近年の活動のなかで存分に魅力を発揮しており、そこに優劣などあるわけがありません。

 

しかし、ステージに立つ者としては、より大きな舞台を夢見ずにはいられないでしょう。

そして、メンバーたちのそんな思いを察する我々ファンは、メンバーたちの夢を叶えてあげたいということを夢見ます。

 

道重さゆみの卒業以来、モーニング娘。横浜アリーナのステージには立っていません。

 

BABYMETALの開演を待ちながらわたしが思っていたこと。それは、

 

「あのときの後輩メンバーたちに、また横浜アリーナに帰ってきてほしい」

 

というものでした。

 

当時在籍していた者のうち、モーニング娘。の現役メンバーは、

譜久村聖生田衣梨奈石田亜佑美佐藤優樹小田さくら

この5人です。

 

また、すでに卒業したOGは、

鞘師里保鈴木香音飯窪春菜工藤遥

この4人です。

(このうち鈴木香音は芸能界を引退しています)

 

現役モーニング娘。横浜アリーナに立つことはもちろん、OGがその後の活動で横浜アリーナに戻ってくるというのも熱い展開です。

 

彼女たちが再び横浜アリーナのステージに立つ日が来たら、こんなに嬉しいことはありません。

わたしは心待ちにしています。

 

……と、わたしが物思いに耽っていたころ、実は横浜アリーナの舞台裏で、上に挙げたメンバーのうちひとりが、これから始まるライブに向けてスタンバイしていたことなど、誰が想像できたでしょうか?

 

あともう少し時間が経てば、自身にとって間違いなく大きな意味を持っているであろうこの横浜アリーナに、戻ってくるメンバーがいるのです。

 

わたしを含めたモーニング娘。のヲタクたちは、その展開に驚愕します。

そして、わたしを含めたBABYMETALのファンたちは、やがて驚嘆することになります。

 

さあ、果たして、そのメンバーはいったい誰だったのでしょうか?(白々しい)

 

唐突にSEが消え、照明は落ち、BABYMETALのライブは始まります。

この瞬間から、2019年のわたしは、ジェットコースターのような怒涛の展開に飲み込まれていくことになるのです。

 

 

中編へ続く

ニワカのTRUMPシリーズ考察(ネタバレあり) ~リリーはどこから来てどこへ行くのか?~

 

 

注)10000字越え、長いです!!

 

TRUMPシリーズの舞台、やっとすべてのタイトルを見終えることができました!

と言っても、再演をしているお芝居まで含めてみんな押さえたわけではなく、あくまでも「すべてのタイトル」です。

さらに、短編小説などのスピンオフ作品も、一部しか目を通しておりません。

 

そんなニワカがシリーズを考察するなんて、かなり無理のあるチャレンジですが、今しか持てない感想ってきっとあるはずという思いから、恥を覚悟であれやこれやを書いてみます。

 

もしかしたら、もともとシリーズのファンだった方から見れば、勘違いや見当違いのことを書いてしまうかもしれません。

なにか目につくものがありましたら、コメント欄で教えていただけましたら、大変喜びます(^-^)

 

まずは、どうしてTRUMPシリーズを見ようと思ったのか?について。

 

わたしはハロー!プロジェクトのファンです。

(推しメンはリリー役の鞘師里保さんとマーガレット役の佐藤優樹さん)

ですので、シリーズ内で初めて見たお芝居は『LILIUM』でした。

ハロプロのヲタクたちの中では伝説的な作品として語り継がれている名作ですから、見ないという選択肢はありませんでした。

 

そして、2020年9月から上演される『黑世界』で、鞘師が主演を務めると聞いて、これはバッチリ予習をしてから観劇に臨まねばなるまい!と、シリーズ作品のDVDを買い漁ったわけです。

 

というわけで、最初は鞘師がこれから飛び込んでいく世界を余すことなく味わうためにと、半ば義務的にTRUMPシリーズをチェックしていったわけですが、次第に、

 

「鞘師抜きにしてもTRUMPシリーズはおもしろいじゃないか!!」

 

と思うに至りました。

 

TRUMP沼の浅瀬に足を取られたわたしは、作品を鑑賞し、あれこれ調べていくうちに、感じたことを文章にしてみたいと思うようになり、このブログを書いているわけです。

 

テーマはズバリ、

「リリーはどこから来てどこへ行くのか?」

 

大層なテーマを立ててしまい、果たして最後まで書き繋いでいけるだろうかという不安を抱きつつ、チャレンジしてみます。

 

 

 

※以下、ネタバレを含みます。これからシリーズ作品を見る予定の方は、引き返すことをオススメします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リリーはどこから来てどこへ行くのか?

 ~目次~

 

 

 

①受け継がれていく呪い

 

ストーリー全編を見て気づいたのは、この物語の中では、登場人物から登場人物へとさまざまなものが受け継がれていく、系譜が存在することです。

(登場人物っていう言葉はあってるんでしょうか? 登場ヴァンプとか登場ダンピールとか言った方がいいのかもしれませんが、煩雑になってしまうので便宜上「登場人物」という言葉で統一します)

 

3つにカテゴライズして、いくつか挙げてみます。

 

まずは、親子の系譜(血縁関係だけでなく、継子への系譜も含めます。また、間に数世代を隔てたものも含めます)。

●アレン&ルルミナ ⇒ ロダン ⇒ ハリエット

●ハリエット&クラナッハ ⇒ ソフィー・アンダーソン

ロダン ⇒ 萬里(ノーム)

●《推測》萬里(ソフィー)&リリー(萬里ソフィーの妻) ⇒ 萬里(ノーム)

●クロード・デリコ ⇒ ダリ ⇒ ラファエロ&ウル

●マルコ&スー ⇒ ウル

●ゲルハルト ⇒ アンジェリコ

●マルコ ⇒ アンジェリコ

●《推測》フラ家 ⇒ ヤン・フラ

●キキ・ワトソン ⇒ ヤン・フラ

アナベル&ヤン・フラ ⇒ マリーゴールド

ピサロ&オルガ ⇒ 李春林

●ローザの父 ⇒ ローザ

 

次に、名前の系譜

●萬里(ソフィー) ⇒ ソフィー・アンダーソン

●萬里(ソフィー) ⇒ 萬里(ノーム)

●リリー(萬里ソフィーの妻) ⇒ リリー(LILIUMの登場人物)

●ダリ・デリコ ⇒ アナベル(筆名ダリ・デリコ)

●ウル(マルコ) ⇒ ウル・デリコ(⇒キャメリア)

●ダミアン・ストーン ⇒ ダミアン・コピー

●ヤン(アレンを殺害) ⇒ ヤン・フラ

●アレン ⇒ アレン(猫)

 

その他の影響関係

●クラウス ⇒ ソフィー・アンダーソン ⇒ リリー【不死の系譜】

●萬里(ノーム) ⇒ ソフィー・アンダーソン【名づけ】

●スノウ ⇒ ガランサス【瓜二つ】

●白雪 ⇒ 李春林【師弟】

●李春林 ⇒ 歌麿【師弟】

●その他ハンターの系譜

●ニコ・ヴラド ⇒ ヴラド機関

●守護者の系譜【シリーズ全編に登場】

 

他にもいろいろあるのかもしれませんが、目についたのはこんなところです。

登場人物から登場人物へ、様々なものが受け継がれており、こういった背景によって、TRUMPシリーズがひとつのサーガを織り成していることが分かります。

 

これらの系譜は“呪い”として機能しており、世代を越えて、それぞれの登場人物の運命を縛りつけています。

時代を下るに従って、“呪い”は再生産され、反復されて、登場人物とわれわれ観客は、風に吹かれた木の葉のように翻弄されていくわけです。

 

さて、この記事のテーマである「リリーはどこから来てどこへ行くのか?」という視点に立ち返ってリストを見直してみると、気になってくるのは次の3つの系譜です。

 

●《推測》萬里(ソフィー)&リリー(萬里ソフィーの妻) ⇒ 萬里(ノーム)【親子の系譜】

●リリー(萬里ソフィーの妻) ⇒ リリー(LILIUMの登場人物)【名前の系譜】

●クラウス ⇒ ソフィー・アンダーソン ⇒ リリー【不死の系譜】

 

ひとつめは作品内で言及されていませんが、いろんな方のブログを見て回ったところ、有力な推測としてTRUMPファンの間で浸透しているようです。

この仮説について、是非を唱える知識をわたしは持ち合わせていません。

 

ですので、ここでは次の関係性のみを問題とします。

 

●萬里(ソフィー) ⇔ リリー(萬里ソフィーの妻)【夫婦】

 

不死の系譜に名を連ねるソフィー・アンダーソンと『LILIUM』のリリーは、名前の系譜を遡ると、夫婦関係にあったということです。

この2人の因縁は、世代を越えて再生産されたものになります。

 

しかし、現時点で発表されているシリーズ作品を見た限りでは、ソフィーとリリーの間の関係性は、前代と新しい代とで、大きく異なったもののように思われます。

 

詳しくは次項で見ていきます。

 

 

 

 

 

②新旧ソフィーとリリーの関係性

 

旧ソフィーと旧リリーの夫婦の物語は、残酷な悲劇として描かれています。

まず大前提となる話として、この2人は人間です。

 

すでにご存知のエピソードかと思いますが、おさらいを。

 

クランを脱走したヴァンプのシルバー・アイ(グスタフ)は人間の里へ行き、狼藉を働いて多数の犠牲者を出します。

この犠牲者の中に旧リリーがいました。

 

夫の旧ソフィーはこの一件を期に、ヴァンプを強く恨むようになり、妻の復讐を果たすために、ヴァンパイアハンターとなります。

 

しかし、旧ソフィーは、妻を牙にかけたシルバー・アイに到達することなく、『SPECTER』の作中でネブラ村にて死を迎えます。

 

そして、これと同時期にネブラ村近郊の湖のほとりで生を受けた赤ん坊が、新ソフィーになります。

ソフィーはここで死に、同時に生まれたことになります。

 

さて、ここから名前の系譜を下ると、まず目につく大きな変化として、ソフィーとリリーは種族間を移動しています。

 

旧ソフィーと旧リリーが人間であったのに対して、新ソフィーはダンピールであり、新リリーはヴァンプです。

(新リリーはダンピールの可能性もありますが、もしそうであったら『LILIUM』でマーガレットに「ドブネズミの匂いがする」と罵られていたはずです)

 

また、前代では2人は夫婦でしたが、新しい代では、ソフィーからリリーへ不死を与える系譜へと変わっています。

 

前代から新しい代へ、2人の関係性の大きなねじれと、それによってもたらされる悲劇を思うと、一筋縄ではいかない呪いの残酷さに言葉を失ってしまいます。

 

さて、新ソフィーと新リリーの関係性は、不死の系譜であると書きましたが、果たしてそれだけなのでしょうか?

このあと、なにか大きな展開を経て、関係性は変化していく可能性があります。

これは現時点で判断することの難しいものですが、④で改めて考えてみたいと思います。

 

 

 

 

 

③フラ家とデリコ家の行く末

 

さて、話題は変わるのですが、マリーゴールドの父親であるヤン・フラについて。

多くの人が疑問を抱いたのではないかと思いますが、彼の名字「フラ」というのは、あのゲルハルト・フラの「フラ」なのでしょうか?

 

わたしはそうだと思います。

現実の世界ならばたまたま同じ名字だった、なんてことはよくありますが、これはフィクションの世界。

「フラ」という名字は、作り手の明確な意図によって選ばれたものです。

ヤン・フラはゲルハルトと血縁関係にあるのでしょう。

 

フラ家のアンジェリコが『TRUMP』と『COCOON 星ひとつ』で及んだ凶行を見て、フラ家の名声は地に落ちたと思っていたのですが、実際のところどうなんでしょうか?

 

名家の栄光はあれしきでは損なわれないのかもしれませんし、そもそもあの事件は血盟議会によって揉み消されたんでしたっけ?(うろ覚え)

 

いずれにせよ、『マリーゴールド』におけるヤン・フラの扱いを見る限りでは、彼が名家の出身であるようには思えません。

やはりフラ家は以前のような隆盛を誇っていないのでしょう。

時代の流れを感じさせられます。

(余談ですが、キキ・ワトソンの血もヤン・フラには流れていることになりますね)

 

ここで疑問が湧いてきます。

フラ家が残っているならば、デリコ家はどうなってるんだろう??

 

ご存じの通り、デリコの名前は『マリーゴールド』に登場します。

小説家アナベルの筆名がダリ・デリコというものでした。

親子の系譜ではありませんが、名前の系譜でデリコ家は残されていることになります。

 

●《推測》フラ家 ⇒ ヤン・フラ【親子の系譜】

●ダリ・デリコ ⇒ アナベル(筆名ダリ・デリコ)【名前の系譜】

 

ということは、

マリーゴールドは因縁のあるフラとデリコの間に生まれた子どもということになります(デリコとの血縁はないですが)。

この事実に気づいたときは、鳥肌が立ちました。

 

そして、ヴァンプの名家同士が結びついて生まれたマリーゴールドが、人間からもヴァンプからも忌み嫌われるダンピールであることを思うと、やはり系譜の呪いの残酷さを感じざるを得ません。

 

彼女はその後、『LILIUM』でソフィーによって無惨にも焼き殺されてしまいます。

ここにおいて、ソフィーが両家を滅ぼしたという見立てが成立します。

 

ソフィーが望まずとも不死の力を得てしまった原因は、フラ家とデリコ家の争いに巻き込まれたからであると、やや強引に考えてみると、ソフィーは両家に復讐を果たしたのだという見立ても成立します。

 

と、ここまで書いてきましたが、奥歯にものが挟まったような感じが……

 

それは「名前の系譜ではなく、親子の系譜ではデリコの血脈はどうなったのか?」という疑問が頭の隅にあるからです。

 

いや、系譜の呪いの強力さを思えば、親子の系譜と名前の系譜との間には優劣などないのかもしれません。

でも……と考えてしまいます。名前が一緒なだけでは、物語としてのインパクトが弱いように思われます。

なんせデリコ家はTRUMPシリーズの序盤を彩ったヒーロー一家ですから。

そして、この物語では「血」というものが重要なキーワードになっています。

 

デリコ家の「親子の系譜」は、この世界のどこかで受け継がれていっているのではないでしょうか。

 

ダリ・デリコはクラン焼失事件を生き延びているわけですから、その後、デリコの名を次代に継承するために、子をなした可能性があります。

(そんな元気はなくなってしまったような気もしますけれども。子どもを作るのが怖くなりそうな……)

 

もしデリコの血脈が残っているとしたら、いったい誰がそれを継いでいるのでしょうか?

 

『LILIUM』の登場人物の中で、出生が明らかになっているのは、ソフィーとマリーゴールドだけです。

(短編小説『ホフマンと双子の繭期』に紫蘭、竜胆、マーガレットが登場するので、そこで彼女たちの素性がなにかしら明らかになっているのかもしれませんが、残念ながらわたしは未読です)

 

(2020/8/10追記:短編小説『ホフマンと~』を読みました。この3人の素性については、紫蘭と竜胆が二卵性双生児であること以外は、なにも明かされていませんでした。論旨から外れますが、紫蘭と竜胆はふたりで対になる存在なのかもしれませんね。「君は僕であり、僕は君だ」という関係性)

 

要するに、疑似クランにいた登場人物たちの中に、デリコの血を引く者がいたのではないか?ということをわたしは考えてみているわけです。かなり妄想が混じっていますが……。

 

結論から言いますと、それはリリーだったのではないか?ということを考えています。

 

●《推測》デリコ家 ⇒ リリー【親子の系譜】

 

リリーの出生については、見た限りでは、シリーズ内でまったく触れられていないと思います。

 

TRUMPシリーズはここまで見てきた通り、系譜の呪いが複雑に絡み合いながら、物語を織り成しています。

不死の力を与えられた超重要人物のリリーの出生が、作り手の頭の中で、まったくの白紙であるとは考えづらいです。

なにかあるはずです。

 

というわけで、リリー・デリコの可能性について、考えずにはいられません。

 

リリーはどこから来たのか?

 

それはデリコから。

 

エモい……

 

 

 

 

 

④リリーはどこへ行くのか?

 

ここまで書いてきた内容が、最初に掲げたテーマのうち「リリーはどこから来て」にあたります。

 

ここからは「リリーはどこへ行くのか?」について考えてみたいと思います。

 

こればっかりは、実際に続編を見てみないことには分からないものなので、前節以上に妄想全開で書いていくことになります。

 

話を展開していくための呼び水として、まずはひとつ問いを立ててみます。

 

Q.疑似クランの中で、どうしてリリーだけが不死になれたの?

 

ソフィーは疑似クランの繭期のヴァンプ(とダンピール)たちに、自らの血で作ったウルという薬を飲ませることで、彼女たちが永遠の繭期(=不老不死)を生きる共同幻想の世界を作り上げます。

 

これは、永遠に枯れない花を作ろうとした父クラナッハから継承された呪いです。

(先走った話になりますが、リリーが不死の身体を手に入れたことによって、クラナッハの悲願は世代を越えて達成されたことになります。花ヲタこわい……)

 

ソフィーは疑似クランで、数多くのヴァンプたちに薬を処方し続けてきたわけですが、そこで得られる不老不死の力は、ウルを飲んでいる間しか効力を発揮しません。

現に、シルベチカが死の間際に、薬を飲むことを拒否したせいで、老いさらばえていく場面がありました。

 

ソフィーの願いは、自らの孤独を埋め合わせるために、ウルを飲まなくても不老不死でいられる者を作り上げることです。

疑似クランに在籍した者の中で、不死の力を得ることができたのはただひとり。

言うまでもなく、それがリリーです。

 

どうしてリリーだけが、不死の力を得ることができたのでしょうか?

 

それはたまたまである!

と言うこともできるかもしれませんが、先に書いてきたように、わたしはこれが物語である以上は、たまたまなんていうことはなく、なにかしらの理由があるはずだと考えます。

 

じゃあその理由はなんなのか?

という疑問に答えるのは雲を掴むような話ですが、ひとつ、大きなヒントになるものがあるように思われます。

 

それは、旧ソフィーと旧リリーが夫婦であったということ。

 

●萬里(ソフィー) ⇔ リリー(萬里ソフィーの妻)【夫婦】

 

つまり、こういうことです。

旧ソフィーと旧リリーの夫婦が辿った悲劇によって、「ソフィー」という名前と「リリー」という名前の間には、呪いの系譜の中で、強力な因縁が生じてしまいました。

 

そのため、新ソフィーが「ソフィー」と名づけられ、新リリーが「リリー」と名づけられた瞬間から、ふたりの運命が絡み合っていくことは既に決まっていたのではないでしょうか。

(この運命の絡まりの中に、リリーがソフィーによって不死となれたことが含まれています)

 

そして、この厄介な因縁は、『LILIUM』以降のソフィーとリリーの未来をも束縛していくはずです。

 

そうであるならば、ふたりの絡まりあった宿命が行き着く先には、なにがあるのでしょうか。

 

わたしは、それはTRUMPたるクラウスなのではないかと思います。

 

さらに妄想を加速させます。

 

ソフィーの生まれもった運命とは、TRUMPに捧げる供物であり続けることであり、彼の人生はすべてがグランギニョルである、と。

 

これには根拠があります。

COCOON 星ひとつ』の冒頭で、ソフィーが幼少期を過ごした養護院の院長(?)が実はダミアン・コピーであり、彼によってソフィーはクラウスのいるクランへ送り込まれたことが明らかになりました。

その際に、ダミアン・コピーは、これがグランギニョルであると口にしています。

 

供物であるがゆえに、ソフィーはクランで、アレンの代替品としてクラウスに目をかけられることになります(もちろん、これにはアレンからソフィーへの親子の系譜の呪いも関係しています。アレンも供物だったのかもしれませんね)。

 

そして、クラウスは供物であるソフィーを噛み、永遠の命を授けるのです。

 

不死を拒絶していたソフィーにとって、これは耐えがたい苦しみとなります。

永遠の孤独へと放り投げられた彼は自暴自棄になり、暴挙と言えるような行動を繰り返して、悲嘆と死を世界にばらまいていきます。

まさに、究極のグランギニョル

彼は原初信仰の呪縛に翻弄されて生きてきたのです。

 

●《推測》原初信仰 ⇒ ソフィー・アンダーソン【グランギニョルの呪い】

 

(2020/8/9追記:ここは「●ダミアン・ストーン ⇒ ソフィー・アンダーソン」とすべきだったかもしれません。後に出てくるニコ・ヴラドとの対比をはっきりさせるためにも)

 

(2020/8/10追記:上の追記について、これはどういうことかと言いますと、ダミアン・ストーンとニコ・ヴラドは対になる人物ではないかと、わたしは推測しているのです。TRUMP年表の-1000の欄から感じたことです

 

ソフィーが生まれたネブラ村の村長代理ローザは、原初信仰に取りつかれていました。

また、ウルの両親も、原初信仰の信者でした。

(これ合ってますよね?)

 

原初信仰というものも、この世界の登場人物たちの運命を縛りつける呪いの系譜だと言えるでしょう。

 

その中でも、ソフィーにかかった呪いは最も強力なものであるように思われてきます。

彼は永遠にTRUMPを慰めるための供物であり続けねばならず、終わらないグランギニョルを生き続けねばならないのです。

 

これが「ソフィーの人生=グランギニョル」という仮説です。

自ら書いておいてなんですが、残酷すぎて自分で引いてます(´;ω;`)

 

がんばって妄想を続けます。

 

あまりに残酷なので、この見立てにバランスを与えたくなります。

というわけで、ソフィーの重たすぎる物語(グランギニョル)に調和を与える者、それがリリーなのではないでしょうか。

これはふたりが、「ソフィー」と「リリー」という名前の系譜を通して、対になる存在だからです。

 

この物語において、原初信仰に対置されるものは、ヴラド機関。

TRUMPに平静を与えることを使命とする。

(っていう理解で合ってますかね? この辺りの設定はいまひとつ把握しきれておりません……)

 

前節でリリーがデリコ家の子孫であるという仮説を立てましたが、ダリ・デリコが所属していたヴラド機関の使命を、リリーは生まれながらにして負っている。

と見立てれば、一応、筋が通ります。

 

あるいは、もっと大きな視座で捉えるならば、ヴラド機関の由来であるニコ・ヴラドから、なにかしらの宿命を継承しているのかもしれません。

(この辺りの知識も合っているか自信がありませんが……)

 

●《推測》ニコ・ヴラド ⇒ リリー【?】

 

いずれにせよ、前代においては夫婦だったソフィーとリリーが新しい代でも対となることによって、調和が生まれ、TRUMPを巡る世界の均衡が保たれるのではないか(あるいは破壊されるのではないか)と考えたわけです。

 

(2020/8/10追記:『グランギニョル』でゲルハルトが、血盟議会は表では原初信仰を禁止しているが、裏では支持しているとダリに明かす場面があります。その際に「これは表と裏のバランスなんだ。どちらか一方に偏っても成立はしない」という台詞を言っています。表と裏の均衡というものが、TRUMPの世界のキーワードとしてあるようです。この言葉をソフィーとリリーに当てはめると、ソフィーが裏(ダミアン・ストーンの系譜)、リリーが表(ニコ・ヴラドの系譜)ということになるでしょうか。やはり、このふたりが揃うことでもたらされる均衡があるのだと、わたしは推測します。また、これは論旨から外れますが、フラとデリコもふたつで対になる存在なのかもしれません。「君は僕であり、僕は君だ」の関係性)

 

具体的に言いますと、この物語の行く末で、ソフィーとリリーは手を取り合い、クラウスと対峙するのではないかと思います。

 

その結果、どのようなことが起きるかまでは、わたしの知識と妄想力では見通せません。

 

ソフィーとリリーは不死を手放すことに成功するのかもしれません(つまり、死ぬということで、それはそれで悲しい)。

 

あるいは、TRUMPという絶対的な存在を打ち倒すことになるのかもしれません(でも、そうしたらソフィーが新しいTRUMPになる展開がありそうで怖い)。

 

ここに血盟議会やダミアン・コピーなども絡んでくるでしょうから、さらに先は読めません。

 

どのような結末を迎えるにせよ、ふたりの未来に安寧が訪れることを祈らずにはいられません。

(そんな生ぬるい芝居じゃないことは重々承知しておりますが……)

 

以上が「リリーはどこから来てどこへ行くのか?」というテーマでわたしが考えた内容です。

 

最初に書きましたが、相当なニワカなので見当違いなことがあるかもしれません。

いや、たくさんあるでしょう。

 

でも、こんなに妄想を膨らませてしまうくらい、TRUMPシリーズはおもしろくて、今後の展開にドキドキしている!

っていうことです。

 

ひとまずは『黑世界』を全力で楽しみたいと思います。

 

あともう少しだけ書かせてください。

ここから先は蛇足感あふれるオマケです。

 

 

 

 

 

⑤オマケその1 ~新良エツ子さんはどんな役を演じるの?~

 

『黑世界』には新良エツ子さんが出演されます。

これまでTRUMPシリーズに音楽面で関わってこられた方ですが、今回は初めて役者として板の上に立たれるということです。

 

ここからは、勝手に親しみを込めてエッちゃん先生と呼ばせていただきます。

 

わたしがどうしてエッちゃん先生のことを知っているのかと言いますと、現役モーニング娘。の推しである佐藤優樹さん(まーちゃん)について言及している動画を見たことがあるからです。

 

エッちゃん先生はかなりまーちゃんを気に入っておられる模様。

まーちゃんヲタク、略してまーヲタのわたしとしては嬉しい限り。

そりゃあ「エッちゃん先生」って呼びたくなるってもんです。

 

エッちゃん先生から出てきたまーちゃんのエピソードにはこのようなものがあります。

 

●『LILIUM』劇中歌の『プリンセス・マーガレット』で、勝手に原曲を改編するようなアレンジを入れまくって怒られていた。でも、それらは音楽的には正しい範囲内であった。

 

●『ファラオの墓 ~蛇王・スネフェル~』劇中歌『ジクの証言』のレコーディングの際、楽譜を受け取らずにブースに入った。「何小節目から録ります」と指示を出したら、ちゃんとそこから歌うことができた。

 

●同じく『ジクの証言』のレコーディングの際、「この曲はインストがいいから、わたしの歌を入れずにインストをファンの人に聴いて欲しいなぁ」と言っていた。

 

などなど。さすまー(「さすがまーちゃん」の略)

このブログを読んでくださっている方に需要のある情報なのか分かりませんが、書かずにはおれません!

ごめんなさい、これがまーヲタという種族なんです。

 

さて、エッちゃん先生の『黑世界』での役についてです。

 

まーヲタとして、ここはひとつ、『LILIUM』でまーちゃんが演じていたマーガレットに関係のある役を演じていただきたいな、と。

血縁のキャラとか、同じ名前とか。

 

そして、まーちゃんマーガレットを上回るぶっ飛んだ演技をしてくださったら、まーヲタは感激で昇天します。

 

何卒よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

⑥オマケその2 ~『キルバーン』の配役はどんな感じ?~

 

ここは端的に。

 

コロナ禍の影響で中止(延期?)になってしまった最新作『キルバーン』なのですが、TRUMP年表を見てびっくりしたことが。

 

紫蘭と竜胆が出るんですね。

 

気になるのはいつか上演されるときの役者さん!

 

紫蘭は◯◯◯◯が、竜胆は◯◯がいいなぁ……

 

ぶはっ!(エモ鼻血)

 

 

以上、こんなに長いブログを最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

『黑世界』を楽しみましょう!

鞘師の勇姿を目に焼きつけまくって参ります!!

 

 

2019年の鞘師里保とわたし③ ~アベンジャーズ前夜編~

前回の記事はこちら

 

2019年の3月、鞘師里保がひなフェスのステージで華々しい復活を遂げたのと同時期に、その年の8月におこなわれるSUMMER SONICサマソニ)にBABYMETALが出演することが発表されます。

 

フェスでは引っ張りだこのBABYMETALですが、中でもこのサマソニはずば抜けて出演回数が多く、もはやサマソニのレギュラーと言っても過言ではないでしょう。

 

わたしはここ数年、サマソニにはほぼ毎年参加しています。

そして、BABYMETALが次第に大きなステージを任されていくのを見てきたわけです。

 

その中でも印象に残っているのは、2016年の大阪会場で、SONIC STAGEのヘッドライナーを務めたときのことです。

これはBABYMETALにとって、初のヘッドライナーでした。

2012年に初出場し、フードコード横の小さなステージでパフォーマンスしていたころと比べると、大出世を果たしたわけです。

前年にイギリスの格式あるWembley Arenaで日本人初となる公演を大成功させていることを思えば、当然の抜擢と言えるでしょう。

 

大阪のSONIC STAGEは小ぶりのアリーナ。

BABYMETALのステージが近づくと、会場は人でぱんぱんになり、入場規制がかかりました。

 

わたしは早めにSONIC STAGEに入り、高校生のときに好きだったロックバンド、At The Drive-Inに感動して、気持ちはこれ以上ないほど高まっていました。

 

BABYMETALのライブが始まるや、会場全体が熱狂に巻き込まれました。

1日通してサマソニを楽しんできたわけですが、その中でもずば抜けた盛り上がりを見せつけられました。

BABYMETALが圧倒的な支持を得ていることを、深く実感したものでした。

 

2019年、サマソニという特別なステージにBABYMETALが2年振りに立つ。

そのことを知って、わたしは即座にチケットを購入しました。

 

2019年のBABYMETALは、さらに大きな動きを見せます。

4月に入ると、6月28日と29日に横浜アリーナでライブをすることが発表されたのです。

このチケットも、わたしは両日とも即座に購入しました。

 

サマソニ横浜アリーナ

このとき、これらのチケットが、鞘師里保に繋がるものになろうとは、微塵も考えませんでした。

 

ところで、当時のBABYMETALは、実は大きな困難に直面していました。

 

まず、2017年12月におこなわれた広島での2days公演を、YUIMETALが体調不良により欠場します。

 

年が明けた2018年1月、BABYMETALのバックバンド(通称、神バンド)のギタリスト藤岡幹大が逝去します。

バックバンドと書きましたが、神バンドはBABYMETALとの結びつきが非常に強く、メンバーの一員と言っても過言ではない存在です。藤岡幹大はそんな神バンドのキーパーソンでした。

 

2018年5月に全米ツアーがスタートしましたが、そこには広島同様、YUIMETALの姿はなく、ステージ上の演者たちは、あたかも喪に服しているかのように、黒を基調としたダークな衣装に身を包み、SU-METALとMOAMETALの脇を固めるように、ダンサーが配置されていました(いわゆるダークサイドと言われる形態です)。

 

そして10月19日、YUIMETALの脱退が発表されました。

現在、このときの公式リリースはホームページから削除されているので、代わりにオリコンのニュース記事を貼っておきます。

 

 

この事実を知ったメイトたちが、悲嘆に暮れたことは言うまでもありません。

後に、YUIMETALファン(通称、YMY)の中から「3年も待った鞘師ヲタの気持ちはよく分かる。俺たちもYUIMETALを待っているのだから」というような声がよく聞かれました。

 

わたしがYUIMETALを最後に見たのは、2017年9月26日でした。

「巨大キツネ祭り in JAPAN」というツアーのさいたまスーパーアリーナ公演。

モーニング娘。のように卒業コンサートが開かれるのであれば「今日が最後!」という覚悟をもって現場に臨むことができますが(そして、そうであっても悲しいものですが)、突然の脱退というのはつらいですね。

あるとき、急にいなくなってしまうのですから。

 

2018年のBABYMETALは大きな悲しみの中にあり、2019年の春に至っても、こうした悲観的なムードはずっと続いていました。

 

これまで神バンドと共に歩んできた3人体制のBABYMETALは、ここにきて、大きな方向転換を迫られることになったのです。

 

そんな中、2019年の春、BABYMETALは反撃の狼煙を上げるのです。

いったいどんなBABYMETALを見ることができるのか?

ダークサイド体制が続くのか、それとも新しいフェーズへ突入するのか。

悲嘆を引きずりながらも、わくわくが止まりませんでした。

 

さて、ここからは鞘師について書いていきます。

 

ひなフェスでの復活を契機に、鞘師里保は自分個人の名義で新しい世界に乗り出していくに違いない。

3月から4月にかけてのころは、そのように考えて毎日胸を高鳴らせていました。


ソロの歌手としてデビューするのか、
ダンスに特化したパフォーマンスへ進むのか、
演技にも挑戦するのか。


想像がどんどんと膨らんでいきました。


「歌」「ダンス」「演技」と3つの分野を挙げましたが、これには理由があります。


2018年12月7日に、アップフロントから、鞘師がすでに同事務所を退所していることが発表されます。



この中の鞘師自身のコメントに、

もっと新しい私になってみなさんと再会する為に前に進みます。まだまだ歌いたい!踊りたい!演じたい! 

そんな夢いっぱいの私をどうか温かく見守ってください

とあります。


これからも人前に立ち、歌い、踊り、演じていくという意思を、鞘師は示していたのです。


ですから、鞘師のいちファンとしてわたしは、

「ひなフェスの次はどんな鞘師が見られるのだろう? 歌? ダンス? 演技?」

そんな思いがあったのです。

 

と、わくわくが高まりながらも、次第に、鞘師の次の活動が発表されないことに、焦りのような気持ちを抱くようになっていきました。

 

ひなフェスが終わってからしばらく経っても、なんの発表がありません。

もしかしたら、鞘師はまたどこかへ姿をくらませてしまうのではないか。そんな思いが胸をよぎりました。

 

しかし、鞘師里保はこの時期、次の大きなステージに立つための準備をしていたことが、後に分かります。


鞘師が次のステージとして選んだのは、まさかの場所でした。


鞘師の今後の活動について、あれやこれやと想像を巡らせてきたわたしですが、鞘師里保は、予想を余裕で上回る展開をこのあと描き、我々の前にひょいっと姿を現してみせるのです。

 

 

 

続きはこちら↓

2019年の鞘師里保とわたし② ~2012年のBABYMETALとわたし編~

前回の記事はこちら!

 

 

今回の記事では、ぶっちゃけ、鞘師はほとんど出てきません!

2019年のことも書きません!

「2019年の鞘師里保とわたし」と銘打ってるのに!

 

 

しかし、鞘師のひなフェス以降の活動について今後書いていくための素地として、鞘師以外に書いておくべきことがあるのです。

 

 

題して、「2012年のBABYMETALとわたし」です。

 

 

わたしはモーニング娘。を好きになる以前から、BABYMETALのファンでした。

ハロヲタ歴よりもメイト歴の方が長いのです。

(ちなみに、“メイト”というのは、BABYMETALのファンのことです)

 

 

はじめてBABYMETALを目にしたのは2012年のことでした。

 

 

わたしは凛として時雨というロックバンドが好きで、今でもツアーが開催されたら必ず会場へ足を運ぶようにしています。

(なかなか活動してくれないけど……時雨のライブをもっと見たい!)

 

 

2012年ごろ、バンドのドラマーであるピエール中野がやたらと推していたアイドルグループが、BABYMETALでした。

(現在BABYMETALはアイドルを自称していませんが、このころ掲げていたテーマは「メタルとアイドルの融合」というもの。めちゃくちゃアイドルでした)

 

 

BABYMETALは今では世界を股にかける大物アーティストとして知られていますが、このころはまだ爆発的なセンセーションを起こす前。

世間ではもちろん、音楽ファンの間でもそれほど知られていない存在だったことと思います。

 

 

ピエール中野は独自の嗅覚からおもしろいアーティストを見つけ出しては、ファンに布教するということをよくやります。

今は国内大型フェスのメインステージを任されるロックバンド、ヤバイTシャツ屋さんも、わたしはピエール中野によって知りました。

(ちなみにヤバTのベーシスト、しばたありぼぼはハロプロの大ファンで、道重さゆみのTシャツがトレードマーク。そしてさらに、ピエール中野のパートナーである大森靖子も、ハロプロの大ファンで推しメンは道重さゆみ。このあたりの人のつながりもおもしろいです)

 

 

ピ様(ピエール中野のファンからの呼び名)がおもしろいと言うならおもしろいんだろう。

と思っていたわたしは、BABYMETALのMVをYouTubeで視聴してみましたが、正直、このときはあまりピンとこなくて、おもしろいことやってるな、ぐらいの感想を持った程度でした。

それは当時のわたしがアイドルというものに偏見を抱いていたことと、無関係ではなかったと思います。今となれば。

 

 

さて、BABYMETALとのファーストコンタクトはこのような感じに終わりましたが、ピエール中野のBABYMETAL布教活動は、ライブのMCでアピールするだけでは止まりません。ピ様恐るべし。

(2020/9/1追記:このように書きましたが、ピエール中野がBABYMETALをチェックするようになってからこの時点に至るまでの期間、凛として時雨はライブをしていなかったようです。この記述は記憶違いだったようです)

 

 

まず、彼はBABYMETALの話をそこかしこでしていくことによって、ナタリーの企画でBABYMETALと対談することになります。

 

 

 

 

ここまで見てきただけでも、ピエール中野のBABYMETALへの爆裂パワープッシュはなかなかのものですが、彼はこのあと、とんでもない暴挙に出ます。

普通の人なら考えてもやらないことを、彼はやってのけるのです。普通の人じゃないから!

SU-METALこと中元すず香を小5のときから追ってきたアイドルオタク(=ピ様)の熱量は、並みじゃないです。

わたしはそれを現場で目撃しました。

 

 

2012年12月27日に日本武道館で「DECEMBER'S CHILDREN」という音楽イベントが開催されました。

ローリング・ストーンズのアルバムの名をタイトルに冠したこのイベントで、事件は起きます。

 

 

出演ミュージシャンはなかなか癖があっておもしろいラインナップ。

 

TK from 凛として時雨凛として時雨のギターボーカルの人のソロ)

凛として時雨

geek sleep sheep凛として時雨のベースボーカルの人のバンド。リーダーはL'Arc~en~Cielのyukihiro

9mm Parabellum Bullet

ドレスコーズ

MUCC

ピエール中野 ←

ギターウルフ

・墜落モーションFOLK2

 

半分が凛として時雨の人がらみじゃないか!!

ハイ、こんな素晴らしいイベントだから、わざわざ地方から遠征して日本武道館まで行ったわけです。

 

 

それはさておき、ラインナップの下から3つ目をご覧ください。 

お気づきでしょうか?

いました! ピエール中野

ここまでの話の流れから、なにかとんでもない事態が起きるような気がしませんか?

正解です。

 

 

なんと、

 

 

BABYMETALが出ました!

 

 

いちバンドのいちメンバーのいちコーナーに、BABYMETALがひょいっと出演するなんて今じゃ考えられませんが、このときはあったのです。

ピエール中野が普通の人じゃないから!)

 

 

BABYMETALがゲスト出演することは、公演の数日前(2日前くらいだったかな)に発表されていました。

「ピ様ついにそこまでやるのか!」と呆れるばかり。

いや、実際のところ、このカオスな展開にわくわくしながら会場へ行きましたとも。

 

 

ピエール中野の出番について、かんたんに書きます。

 

①ドラムソロ!(ピ様のドラムは手数が多くてドカーンってくらい迫力があります。圧巻)

Perfumeの『レーザービーム』に合わせてドラムを叩く(当時の持ちネタです)

③セッション(MUCCのギタリストが登場)

~ドラムはける~

④MC

⑤DJ(嵐の『A・RA・SHI』など、自分で歌います)(持ちネタです)

 

どうです? なかなか楽しそうでしょう?^ ^

 

 

さて、⑤のDJコーナーに最後に登場したのが、BABYMETALです。

 

 

って、DJコーナーの一環なのかよ!!

嵐の曲を流して自分で歌うのと原理は同じです。

DJでBABYMETALの曲を流したら、BABYMETALが出てきただけです。

(いやおかしいだろ)

 

 

という、カオスにカオスを重ねた謎すぎる状況で、わたしはBABYMETALとの初対面を果たしたわけです。

 

 

SU-METAL、15才

YUIMETAL、13才

MOAMETAL、13才

 

わ、わかい……!

 

 

披露した楽曲は『ヘドバンギャー!!』

 

 

 

 

まずね、歌が上手い!

ダンスがかわいい!

 

そして、ピエール中野のドゲバン!!

(なにやってるんだDJ)

 

 

今となれば感慨深いのは、赤いサイリウムを持ったお客さんが少しだけいたこと。

数日前にBABYMETALの出演が決まって、急いでチケットを取ったのでしょう。

今ではBABYMETALのライブではサイリウムの使用が禁止されていますが、当時はまだアイドル色が強くて、認められていました。

 

 

その人たち以外のお客さんは、おそらく全員バンド音楽のリスナーたち。

BABYMETALのことを知らない人がほとんどだったでしょう。

このときすでに、BABYMETALは異種格闘技戦に臨んでいたわけですね。

(そんな中でサイリウムを振っていたメイト諸氏もなかなかのものです)

 

 

客席は静まり返ってBABYMETALのパフォーマンスに注視していました。

 

 

曲が終わり、わたしの斜め前に座っていたMUCCファンのバンギャがぼそりと言った言葉が、耳に聞こえました。

 

「あの子、歌がうまい」

 

きっと、日本武道館全体が、彼女と同じことを感じていたことでしょう。

SU-METALの歌声は、見事に爪痕を残してみせたわけです。

 

 

観客から見ればピエール中野コーナーのBABYMETALは、完全にイロモノです。

しかし、『ヘドバンギャー!!』1曲という短い時間で、その実力を日本武道館に知らしめたのです。

ピエール中野の布教活動、ここに極まれり。

 

 

さて、今現在のわたしが、このときを振り返って思いを馳せることがあります。

SU-METALと同時期にアクターズスクール広島に在籍していた少女、鞘師里保のことです。

当時の鞘師はモーニング娘。に加入して間もなく2年を迎えるころ、14才でした。

 

 

わたしはリアルタイムで当時の鞘師を追っていたわけではありませんが、後づけの知識でもって、2012年のモーニング娘。を見ていきたいと思います。

 

5月

7代目リーダー新垣里沙と8期メンバー光井愛佳が卒業し、8代目リーダーに道重さゆみが就任します。

 

7月

50枚目のシングル『One・Two・Three/The 摩天楼ショー』が発売されます。『One・Two・Three』は鞘師里保田中れいなと共にWセンターを務めた、この時期のモーニング娘。を代表する1曲。ここから鞘師は、本格的にグループのエース格としての座を任されていくことになります。

 

9月

11期メンバーとして小田さくらが加入します。歌唱力に秀でた彼女はデビューしてすぐに頭角を現し、今ではパフォーマンスの核となる存在へとなっています。

 

11月

翌年の春に6期メンバー田中れいなが卒業すると発表されます。俗にプラチナ期と呼ばれる、ハイレベルなパフォーマンスを見せていた時代を彩った、中心人物のひとりです。

 

この激動の1年を経て、さらに田中れいなが卒業を迎え、鞘師里保は名実ともにモーニング娘。のエースとして、グループのパフォーマンス面をリードしていくことになるのです。

 

 

まったく別の場所で、それぞれの戦いに挑んでいたSU-METALと鞘師里保

この2人の人生が再び交錯するのは、(少なくとも表立った場所では)この2012年から6年半を経た2019年の6月まで待たねばなりません。

 

 

と、ここまで書いてきましたが、思いの外、長くなってしまいました。

(だってピエール中野について書きすぎたから)

 

もう少しだけ、BABYMETALについて書きたいことがあるので、それは次回の投稿で書くことにします。

 

続きはこちら↓

『もののけ姫』と、少しだけ佐藤優樹

現在、映画館でスタジオジブリの映画作品がいくつか再上映されておりまして、そのうちのひとつ『もののけ姫』を観てきました。

 

 

有名な作品ですし、すでに何回か観たことがあるのですが、それも10年ほど前のことなので、

新鮮に楽しみ、いくつかの発見に出会うこともできました。

 

 

これから映画館で感じたことを述べていきますが、とりとめもなく書いていくことになるかと思います。

読んでおもしろいものに仕上がるかどうかは、神のみぞ知る。という感じで、考えを筆に(スマホの文字入力に)委ねていきます。

 

 

そもそも、改めて『もののけ姫』を観ようという気分になった理由。

それはモーニング娘。の推しの佐藤優樹さん(まーちゃん)の好きな映画だからです。

 

 

まーちゃんは以前、登場人物(いや登場山犬? 登場神?)のモロのモノマネをノリノリで披露したことがあります。

また、スタジオジブリの映画について、子どもが観て楽しめるものありながら、大人が観ても気づきのあるものだ、というような発言をしています。

 

 

こういったことを受けて、まーちゃんは『もののけ姫』が好きなんだろうな、という思いを抱いていたわたしは、今回の再上映の話を聞いて、観にいきたい! と思ったわけです。

推しの追体験をしたい、というヲタクの強欲!!

 

 

まーちゃんは幼少期に北海道の森林で遊んでいたということですし(というか庭に森があった? ということですし)、

モーニング娘。を卒業したら森で犬に囲まれて暮らしたいということを言っています。

 

 

こういったまーちゃんのバックグラウンドと、森を舞台にした『もののけ姫』とのあいだに、共鳴するものがあったのかもしれない、なんて想像します。

 

 

まーちゃんの話はいったんここまで!

本題の『もののけ姫』の感想に入ります。

 

 

物語の構図としては、自然(神々)と人間との対立、と言うものがひとつ挙げられると思います。

 

 

舞台となった太古の森は神々が統べる場所であり、その神々は現代で言うところの「獣」の姿で描かれています。

 

 

それは、動植物が個体ではなく、ひとつの生命体(現代的な概念で言うと生態系になるのでしょうが、その様相は大きく異なって見えます)として、入り交じって存在するような世界です。

 

 

一方の人間たちは、そんな神々を畏怖(八百万の神に対する、原初的な信仰のようなものでしょうか)しつつも、

鉄を作り、戦争をし、政治的な駆け引きに明け暮れ、すでに神を畏れなくなっている様子も描かれています。

 

 

技術革新や社会構造の変化、そして、それに伴う人間の価値観の変容により、

神々を畏れ敬う世界から、人間中心主義的な考え方が優勢な世界へと移り変わるパラダイムシフトの過渡期が、物語の舞台となります。

 

 

(映画の作り手の頭のなかには、時代や場所についての具体的な設定があったようですが、わたしは詳しく知りませんし、あまり興味が湧かないので、自分自身の見立てをもとに話を進めていきます。そのため、設定を知っている人からすると、トンチンカンに感じる内容があるかもしれません)

 

 

人間たちはさまざまな思惑から、それまで不可侵のものとしていた神々の世界を侵犯していきます。

 

 

これが、先に書いた神々と人間との対立という構図になるのですが、これはあくまでも物語の背景となる構造についての話。

 

 

物語というものが対立的な構造のなかで展開されるとき、必ずその対立項が入り交じる、境界線上にある存在が強調されます。

(これは物語の本質的な特性なのだと思います。孫悟空ってサイヤ人じゃん)

 

 

もののけ姫』という作品において、こうした境界線上に位置するのは、ふたりの主人公であるアシタカとサンです。

 

 

アシタカは境界線の「人間寄り」にいる人物です。

 

 

彼の生まれ育った村落は、人間同士の争いからふるい落とされ、ひっそりと生き延びてきた、世界の周縁部のような場所として描かれています。

 

 

時代の趨勢から取り残されたその村では、神々を畏れ敬う価値観が残されています。

言うなれば、神々と人間とが対立する以前の世界ということになります。

 

 

しかし、アシタカは物語の冒頭で、少女をタタリ神から守るために神殺しという禁忌を犯し、その報いで呪いに縛りつけられることになります。

 

 

呪いを負うというのは、神が内在化するということです。

(事実、彼は超常的で人間離れした能力を身につけます)

 

 

こうして彼は、神々と人間との境界線上に放り出されたわけです。

 

 

アシタカは死に至る呪いを解くために旅をしていくのですが、それが叶わぬこと知り(いや、最後には叶うのですが、この時点では叶わぬということを知り)、

そして人間が神々を侵犯していくさまを見ていくなかで、両者の共存する道を模索するようになっていきます。

 

 

アシタカは曇りのない目(境界線からのニュートラルな視点)で世界を眼差すなかで、こうした考えを持つようになるのですが、そのプロセスで重要な役割を果たしたのが、もののけ姫・サンです。

 

 

アシタカが「人間寄り」の人物であるのに対して、サンは「神寄り」の存在です。

 

 

その過去について詳しい説明はされませんが、彼女は人間であるにも関わらず、山神モロの娘として、つまりは山犬として育ち、森を侵犯する人間たちを憎み、戦いを挑んでいきます。

(この憎しみは、自らが人間に捨てられたと感じていることと繋がっているのでは? と推測します)

 

 

人間による度重なる侵犯により、未来が先細っていく森のなかで、サンは人間と戦って森とともに死んでいくことを望む刹那的な価値観を持っています。

 

 

そんなサンでしたが、戦いに明け暮れ、翻弄されていくなかで、神々と人間の共存を訴えるアシタカと行動をともにするようになります。

(サン自身がアシタカと同じ願いを抱くようになったわけではなさそうですが)

 

 

彼女が人間を好意的に受け止めたのは、これが初めてのことだったのかもしれません。

そして、そうした感情に自分で気づくことにより、自らが人間のかたちをもって生まれてきたことを、知らず知らずのうちに自認していったのだと思います。

 

 

これが、サンの立つ境界線です。

 

 

アシタカとサンのような境界線上の人物が描かれることにより、『もののけ姫』の物語は動いていきます。

 

 

神々と人間とが共存する道が見えながらも、かえって両者の対比は強調されていくことにもなり、

これがこの物語の原動力となっているのだと思います。

 

 

結局、人間たちは森を統べるシシ神を殺し、神々との対立軸を制圧します。

神は死に、人間の時代となるわけです。

 

 

が、同時にそれは神々が「獣」の姿を捨てて、自然全体へと溶け出していき、世界のすべてに偏在する存在へと移り変わっていったようにも描かれています。

神は別のフェーズへ移っただけ、とも見て取れます。

 

 

さて、今回この作品を観るなかで浮かんできた疑問があります。

 

 

モロと山犬の兄弟は、どうしてサンを受け入れたのでしょうか?

 

 

人間との戦いに駆り立てられるモロたちにとって、サンの命は噛み殺してもいい存在だったはず。

しかし、モロはサンを娘として育てたのです。

 

 

人間から捨てられたサンを憐れみ、自分たちと同じ側にある存在だと感じたのでしょうか。

 

 

その理由がなんであったのかは明示されませんが、ひとつ思うのは、サンを受け入れた瞬間、モロもまた神々と人間との境界線上に放り出されたのではないか、ということ。

 

 

そう考えると、映画の結末部とも合わさって、この世のすべてが境界線上に位置するものであり、

神々と人間との対立軸は、幻想の産物だったようにも思われてきます。

 

 

人間が神殺しという不可逆的な転換を歴史に刻んだのは確かですが、それでも世界には神々が偏在しており、自然としてすべてを包み込んでいる。

だから、本質はなにも変わっていない。

そんな風にも思われてきます。

 

 

ところで、わたしたちの今の世界を覆うコロナ禍のことを、まーちゃんは「地球が人間に怒っている」と言い表しています。

 

 

そして自粛期間について「自分を見つめなおすときだ」と。

 

 

まーちゃんの真意はわかりませんし、そもそもまーちゃんのファン(まーヲタ)はまーちゃんの言うことを大層に受け取りがちなわけですが、

わたしはまーヲタらしく、『もののけ姫』からこれらの言葉を思い出したのです。

 

 

果たしてこの地球は、人間は、これからどんな道を進んでいくことになるのでしょうか。

 

 

もののけ姫』の感想は以上です。

要するになにが言いたかったのかというと、

 

 

佐藤優樹はサイコーだ!!!!!

 

 

ということ(そこかい!!)